私の好きなザ・デリンジャー・エスケイプ・プラン[11日目]


本記事は、Cerevoスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「Cerevo アドベントTechBlog 2017」の第11日目です。

Cerevo アドベントTechBlog 2017
http://tech-blog.cerevo.com/archives/category/adventcalendar/2017/

はじめまして、sugajunです。Cerevoではバックオフィスで働いています。

さて、私のたしなみは音楽鑑賞とライブ鑑賞です。最近では洋楽ロック、特にパンク・ロック、ハード・ロック、オルタナティブ・ロック、ヘビーメタルあたりが主な守備範囲です。

2017年は、職場の皆様の暖かいご協力のおかげで約20本のライブと2本のフェスを観に行くことができました。その中でも、自分の人生において間違いなく最高だと言い切れるライブ・パフォーマンスを魅せてくれたバンドに出会いました。

今回はそのバンドのことについて書きたいと思います。

ザ・デリンジャー・エスケイプ・プランってなに?

そもそも今回のタイトルである「ザ・デリンジャー・エスケイプ・プラン」とはなんぞや、と怪訝に思われる方も多いのではないでしょうか。

先に「バンドのことについて書く」と明言したとおり「ザ・デリンジャー・エスケイプ・プラン」とはバンド名であります。私の大好きな文字列です。

「洋楽ロックのバンドが好き」という私の友人たちも、デリンジャーのことを知っている、あるいは好きだという人はほとんどいませんので、そもそもロックを聴かない、音楽自体に興味がない、という方であればなおのことご存知ないのもうなずけます。

では、具体的にどのようなバンドなのかと申しますと、ウィキペディアには下記のように記載されています。

デリンジャー・エスケイプ・プラン (The Dillinger Escape Plan) は、アメリカのニュージャージー州モリスで1997年に結成されたハードコアバンド。ボストンのコンヴァージ等と共に現在のハードコアシーンを牽引する存在として知られる。
バンド名はアメリカの有名な銀行強盗、ジョン・デリンジャーに由来する(Dillinger Escape Plan=デリンジャーの逃亡計画)。

デリンジャー・エスケイプ・プラン – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%87%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%97%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%B3&oldid=62685082

だいたい「ハードコア」からしてもう分からない、という声が聞こえてきそうですが、「ハードコア」とは「ハードコア・パンク (Hardcore punk)」のことでありパンク・ロックから派生したジャンルの一種です。

デリンジャーの音楽は、そのハードコアにジャズ、フュージョン、エレクトロニカなどの要素が加わった「カオティック・ハードコア」と呼ばれるジャンルになるのですが、これはあくまでも日本独自のジャンル分類のようで、海外では「マスコア (Mathcore)」と呼ばれるのが一般的です。

さて、今回は「私の好きなザ・デリンジャー・エスケイプ・プラン」というタイトル通り、私が感じるデリンジャーの魅力を一方的にぶつけていきたいと思います。

私の好きなザ・デリンジャー・エスケイプ・プランの楽曲

最初にお伝えしておきますが、デリンジャーの音楽は全体的にとても激しいです。

実際には、ジャズやフュージョンの要素を織り交ぜたり、ハードコアというジャンルでは一括りにできない、とても幅広い音楽性を持つバンドなのですが、普段ほとんど音楽を聴かない方や、激しい音楽に耐性のない方が突然デリンジャーを聴くと「なんと恐ろしい」という感想しか生まれない可能性が非常に高いです。

耳慣れない音楽であっても、少しずつ聴き続けていくうちにやがては脳がそれを受け入れ始め、次第に心地良いと感じるようになる、というのはあくまでも私個人の体験談ですが、とはいえデリンジャーを紹介することによって皆さんの恐怖心を煽るのは本意ではありません。

オススメしたい一方でこんなことを言うのもなんですが、音楽を再生する前に、本当に再生していいのか、ご自身によく問いかけてください。

さて、前置きが長くなりましたが、悩みに悩んでなんとか絞り込んだ、私の好きなデリンジャーの楽曲をご紹介します。

「Nothing To Forget」[ 6th フル・アルバム「Dissociation」収録曲 ](10曲目)

The Dillinger Escape Plan「DISSOCIATION」をApple Musicで
https://itunes.apple.com/jp/album/dissociation/id1164777315?app=music&ign-mpt=uo%3D4

序盤と終盤のアグレッシブさとは相反して、中盤はストリングスとボーカルのクリーン・パートで、優しく、穏やかでメロディックな表情をみせます。緩急のつけ方がデリンジャーらしさを感じさせる一曲です。

「Dissociation」[ 6th フル・アルバム「Dissociation」収録曲 ] (11曲目)

The Dillinger Escape Plan「DISSOCIATION」をApple Musicで
https://itunes.apple.com/jp/album/dissociation/id1164777315?app=music&ign-mpt=uo%3D4

ラスト・アルバムのタイトル・トラックです。全体的に悲壮感の漂う楽曲で、裏フラグを立てるとするならば「ダーク」という言葉がしっくりくるでしょうか。アウトロは、物憂げなボーカルのリフレインで美しく、儚く、そして静かに終わります。「別離」や「喪失」といった意味をもつ「Dissociation」というアルバム・タイトルにぴったりな雰囲気で、このアルバムの中で私が一番好きな曲です。

「Happiness Is A Smile」[ 限定生産Vinyl ]

冒頭からスラッシュ・メタル感溢れるアグレッシブさがたまりません。大陸的でややのっぺりとしたテンポである分、一音一音を力強く内側に押し込まれる感じがこの上なく気持ちいいです。

2014年のUSツアーで限定生産された7インチVinyl (アナログ・レコード) のため残念ながら音源は所有していません。

「One Of Us Is The Killer」[ 5th フル・アルバム「One Of Us Is The Killer」収録曲 ]

全体的にストレートなボーカル・ワークが気に入っています。ブルージーなAメロとBメロでゆっくり溜め込んだエネルギーが、曲の終盤に向けてメタル感と重厚感を増幅しながら爆発していく感じ。たまらなくツボです。

「CH 375 268 277 ARS」[ 5th フル・アルバム「One Of Us Is The Killer」収録曲 ]

この曲はインスト (インストゥルメンタル)、つまりボーカルパートがありません。重たいギターリフが私の中にあるヘビーメタルなツボを変則的に刺激して、脳内でアドレナリンが大放出される一曲です。

「Farewell, Mona Lisa」[ 4th フル・アルバム「Option Paralysis」収録曲 ]

序盤はハードコア全開、中盤は一変してスローテンポなバラードの様相を呈したかと思えば、終盤に向けてハードコアとメタル要素全開で締めくくられるという、デリンジャーお得意の緩急つけまくった一曲です。

「Widower」[ 4th フル・アルバム「Option Paralysis」収録曲 ]

序盤と終盤で展開されるジャジーなピアノ・パートとボーカルのファルセット、このセクシーさがたまらなく好きです。ちょっと緩急つけられるとコロッと堕ちてしまう私の安直さがそろそろ露呈してきた頃でしょうか。

「Milk Lizard」[ 3rd フル・アルバム「Ire Works」収録曲 ]

デリンジャーの楽曲の中でも、ハードコア色が強いながらも比較的キャッチーでポップな作品だと思います。ハードコア独特のスクリーム要素はありますが、テンポよくのれるし、ライブでもダイバー続出のキラー・ソングです。間奏で突如現れる変拍子も慣れれば大丈夫。

「Mouth Of Ghost」[ 3rd フル・アルバム「Ire Works」収録曲 ]

序盤から中盤にかけてはジャズの要素がふんだんに盛り込まれていて、このまま一曲が終わるのかと思いきや、そうはさせないのがデリンジャーです。中盤以降、クライマックスに向けてハードコアの力強さと楽曲の奥行きが増していきます。

起承転結の流れがとても美しい楽曲だと思います。

「Unretrofied」[ 2nd フル・アルバム「Miss Machine」収録曲 ]

この曲は単純にサビの伸びやかなボーカル・ワークが気に入っています。ハードコアのバンドを推しておいてこんなことを言うのもなんですが、基本的にボーカルには、その人の魅力が一番発揮される音域でメロディックに歌って欲しいと個人的には思っています。

「Dissociation」や「One Of Us Is The Killer」、そしてこの「Unretrofied」は、私が好きなボーカル・ワークのツボにうまいことハマった感じです。

「43% Burnt」[1st フル・アルバム「Calculating Infinity」収録曲]

最初から最後まで典型的なハードコアですね。ライブでは最後に演奏される定番曲、みんなだいすき! 43% Burntです。中盤の間奏でボーカリストさんが左手で変拍子のリズムをとっている姿が私のお気に入りです。

ということで、一方的に私の好きなデリンジャーの楽曲紹介をしてみましたがいかがでしょうか。万が一、弊社内でデリンジャーにご興味をお持ちの方がいらっしゃったらいつでもCDをお貸しいたします。

ザ・デリンジャー・エスケイプ・プランのライブに行ってみた

さて、なにがきっかけでこんなにデリンジャーにドハマりしたのかといえばつい最近彼らのライブを観てしまったからです。思い起こすほど昔のことではありません。9年ぶりに来日公演をするという情報を某SNSで目にしまして、しばし悩んだ末、ライブを観に行くことにしました。

2017年、10月も残り数日で終わろうかという頃、上着なしで外を歩くには肌寒い季節になっていました。

そのツアー・タイトルは「ファイナル・ジャパン・ツアー」。2017年いっぱいでバンドを解散することを発表していたデリンジャー、来日9年ぶりにして日本で最後のライブです。

来日9年ぶりとはいっても、9年前の私はまだデリンジャーのことを知らなかったため、当然その当時のライブも観ていません。私にとっては、デリンジャーのライブを観る機会は文字通りこれが最初で最後になります。

ザ・デリンジャー・エスケイプ・プランのライブ、ここがすごい

実際にライブへ行ってみて何がすごかったかというと、演奏力、照明、パフォーマンス、迫力、エネルギー、何から何まですごかったです。

開幕とともに「ブォン….ブォン….」と一定間隔で緩やかにベース音が流れ、それに合わせてライトパープルの照明とストロボがたかれる様は厳かにも感じられました。そしてメンバーが一人ずつステージに登場し、ためにためたエネルギーを一曲目で勢い良く爆発させた時の感動と衝撃は今でも鮮明に思い出されます。

「普段使っていないチャンネルをこじ開けられた」という表現をしていた人をSNSで見かけましたが、まさにそのとおりだなと思います。こじ開けられたチャンネルから自分の中にいろいろな刺激、衝撃、感動がこれでもかというほどに流し込まれるような不思議な感覚でした。

終演後には自分自身の感情がパンパンになり、喜怒哀楽の境目が失われていくようで、感動というよりは物悲しさが押し寄せてきて涙が出そうになりました(というか実際にちょっと泣きました)。

ライブの終演後は「楽しかったー!」と喜んだり、ライブの内容が素晴らしくて感動して泣くなど、ポジティブな気持ちで締めくくられることがほとんどなのですが、デリンジャーのように喜怒哀楽すべてをぶつけられた挙句、自分の今の感情が認識できなくなるような状態でライブ会場をあとにするのは初めての経験でした。

いろいろな意味で私の中に深い爪痕を残し、悲しくも間もなく解散してしまうデリンジャーですが、私の拙い表現力ではどれくらいすごいライブなのか伝わらないと思うので、ここからは彼らの奇想天外なライブの模様を画像でお楽しみください。

マイクを食べる

そして絶叫する。

Auckland. Photo: @art.by.shelley

THE DILLINGER ESCAPE PLANさん(@dillingerescapeplan)がシェアした投稿 –

ファンとの距離が近い

物理的にとても近いです。

“Do you wanna bang heads with me?”. Tampare, Finland tonight. Photo from last night in Helsinki: @steveoshoots

THE DILLINGER ESCAPE PLANさん(@dillingerescapeplan)がシェアした投稿 –

もはやファンの上で演奏する

いつでもどこでもステージに早変わり。

Moscow in a few hours. Photo from Tel Aviv: @noambr_

THE DILLINGER ESCAPE PLANさん(@dillingerescapeplan)がシェアした投稿 –

Last night in Perth. Last time in Perth. Best time in Perth. Photo: @steveoshoots

THE DILLINGER ESCAPE PLANさん(@dillingerescapeplan)がシェアした投稿 –

ドラマーだってステージダイブ

ドラマーのステージダイブ、シンバルを添えて。

Tokyo last night. Photo: @steveoshoots .

THE DILLINGER ESCAPE PLANさん(@dillingerescapeplan)がシェアした投稿 –

高所によじ登る

見晴らしが良さそう…….?

そして飛ぶ

良い子は絶対に真似しないでください。

Now, think of the happiest things. Photo from Sydney: @steveoshoots . Brisbane tonight.

THE DILLINGER ESCAPE PLANさん(@dillingerescapeplan)がシェアした投稿 –

宙吊りになる

良い子は絶対に真似しないでください。

Photo: @nicomit

THE DILLINGER ESCAPE PLANさん(@dillingerescapeplan)がシェアした投稿 –

火を噴く

良い子は絶対に真似しないでください。消防法を守りましょう。

そして怪我をする

こちらのギタリストさんは数年前に全身MRIを撮ったところ「5年間、毎日交通事故に遭っているような状態だ」と医師から言われたそうです。
奥さんが外科医で良かったね (違)。

Ebony and Ivory by @steveoshoots

Benjamin Weinmanさん(@benweinman)がシェアした投稿 –

ファンへの気遣いがすごい

さて、ここまで破天荒なライブの様子を目にしてしまうと「デリンジャーはだいぶ危険な人たち」みたいなイメージが植え付けられてしまったかもしれません。ですが、私自身「危険なことがカッコイイ」と思うわけではありませんし、彼らも「危険なことがファンとのつながりだと思ったことは一度もない」と言っています。

本当に内側からほとばしる衝動で毎回パフォーマンスをしているようです。特にボーカリストさんは、ほとんどのライブにおいて記憶が飛んでしまうそうで、ライブでどれだけ危険なことをしていたか、YouTubeなどの動画を見てあとから認識することが多いのだとか。

記憶が飛んでしまうにもかかわらず、曲の合間に必ず「みんな大丈夫か? ついてきてるか?」とファンに声をかけたり、最前列あたりでもみくちゃになっているファンがいれば、腕をつかんでステージに引っ張り上げるなどしてファンの救助もしていました。

あんなに全身全霊で集中して完成度の高いパフォーマンスをしている最中に、苦しそうにしているファンを見つけて救助できる、しかもその記憶がないというのは人間の本能のすごさに驚かされるというか、もはや尊敬の念しかわきません。

危険なライブ・パフォーマンスが取り沙汰されることの多い彼らですが、あくまでもファンの安全を気遣いながら、常に全力で会場全体を楽しませようとしている素晴らしいライブ・バンドであることを申し添えておきます。

終わりに

デリンジャーは解散しても、メンバーはこれからも個々に音楽活動を続けていきます。

ギタリストのベンは、すでに The Prodigy (エレクトロ・ロック) というバンドへ加入しライブ活動を開始しています。

ボーカリストのグレッグは、これまで自身のサイド・プロジェクトであった The Black Queen (エレクトロ・ポップ) というバンドのレコーディング中だそうです。グレッグのもう一つのプロジェクトである Killer Be Killed というパワー・メタル・バンドもおすすめですので、もしご興味ありましたらぜひご一聴ください。CD持ってます。

音楽やロックに興味のない方にとっては何の得にもならない、押し付けがましい文章を最後まで読んでくださってありがとうございました。

良い音楽がいつまでも生き続けますように。
This feels like neverending.

THE DILLINGER ESCAPE PLAN – DISSOCIATION – 10.14.16
http://www.dillingerescapeplan.org/

Party Smasher Inc.
http://www.partysmasherinc.com/

 

投稿者プロフィール

sugajun
sugajun

Cerevoのバックオフィスで働く洋楽ロックオタクです。


sugajun
About sugajun 1 Article

Cerevoのバックオフィスで働く洋楽ロックオタクです。