[20日目] DOMINATOR MAXI を魅せる基礎技術

べーた べーた

Cerevoで電気設計をしております,丸山です.タイトルにもありますが,開発コードネーム「DOMINATOR MAXI」の電気設計を担当しております.

この製品がどういった製品なのかをご存じない方は上記リンク先のリリース記事をお読み下さい.

さて,この製品を開発するにあたり,弊社代表の岩佐を含め,もちろん私自身もサイコパスのファンであり,放映されていたアニメは視聴していました.劇中に登場する「ドミネーター」は,エンジニア視点から見ると,所謂メインフレームであるシビュラシステムにネットワークを介して接続し,様々な情報を処理するための端末と言うことができます.その設定やギミック等に興味を惹かれていました.

サイコパス第二期の放映は今からちょうど一年前であり,当時はまだ私がCerevoに入社する前でした.当時,ドミネーターに魅せられてしまった私はとうとう,所有する3Dプリンタでドミネーターを作る程でした.しかしながら,メカなんて素人の私には非可動でLEDが光るだけのモックを作るのが精一杯でした.

そして時は流れ,今年の春に私はCerevoに入社しました.するとどうでしょう,隣りに座っているエンジニアがデスクで一日中サイコパスのアニメを見ているではありませんか.初めは,かくほどまでに自由な社風であるものかと驚いたりしたものの,私がDOMINATOR MAXIのプロジェクトにアサインされることにより直ぐにその理由はわかりました.(実際に非常に自由でフレキシブルな労働環境ではあります).まさか再び仕事でドミネーターを作ることになるとは思っても居ませんでした.同僚がオフィスで食い入るようにアニメを見ていたのも開発業務の一環であった訳です.


さて,前置きが長くなりました.

製品の企画段階では販売する対象ユーザがどんな人であるかを検討しますがDOMINATOR MAXIでは,それは主に作品のファンとなります.私もファンの一人であるため,できるだけ作品に忠実なものを作ろうと努力しています.そこで,私が開発していくうえで拘ったポイントをご紹介します.


サイコパス第一期冒頭で常守が初めてドミネーターを握ったシーンを覚えているでしょうか.

グリップを握るとイルミネーションがふわっと点灯し,ユーザー認証が始まるシーンです.

これを再現すべく,DOMINATOR MAXIには「静電容量センサー」を搭載しました.

GripSensor

Grip基板とDominatorMaxi
※写真は開発中のものであり,製品版はよりディテールアップしています.この試作機はあちこちでデモしているため,ご覧のようなユーズド感が出ています.

このGrip基板はグリップ部を光らせるだけでなく,グリップを握ったことを検出するセンサーを兼ねています.これが左右に入っているのでサウスポーの方も執行することができます.ご安心下さい.

そして,実際に反応する様子はこちら.

動画ではパッと点灯していますが,今後のチューニングでふわっと光るようになります.


また,想定しているユーザさんの中にはアニメファンの方はもちろんのこと,コスプレイヤーさん(以降レイヤーさん)も想定しています.

レイヤーさんの多くはその様子を写真に撮ったりしてSNS等や写真集を制作することで交流されているかと思います.となると,この製品は様々な場面で写真に撮られる事になる筈です.

そこで,この製品には1台あたりにおよそ180個のフルカラーLEDを使用していますが,LEDを写真に撮った時に,時としてカメラマンが予期した画と違う写りになってしまう現象がしばしば起こります.そのため,DominatorMaxiでは写真に撮っても問題が起きないよう考慮した設計を予め盛り込んであります.

では,LEDを写真に撮った時に不思議な画が撮れてしまう現象をご紹介します.

次の2枚の写真を御覧ください.どちらも同じ日の同じ場所で同じ条件で撮影された写真です.

traffic signalDSC_0501

違いは一目でわかるかと思いますが,上の写真では中央の自動車用信号が全く消えてしまっています.この信号は点滅式ではなく,肉眼では右の写真のように赤く光って見えています.

これはLEDのフリッカ(点滅)に起因する問題です.信号機の場合には駆動回路の信頼性(長期に渡って故障しない)設計のため,電源の周波数(関東では50Hz)に依って高速に点滅を繰り返していることによって起こります.

では,信号機の様子をスロー再生で見てみましょう.最大で1200fpsで録画したものを30fpsに引き伸ばして再生しています.

おわかりいただけたでしょうか.

スローで再生すると点滅している様子がよくわかりますね.このLEDが消えている瞬間を捉えると上の写真のように「目で見えているものと写真が違う」現象が起きます.

似たような現象は他にもあります.例えば,電車内の行き先表示もスローで見るとこのように見えます.

これは大量のLEDを少ない配線で点灯させるために「ダイナミック点灯」という手法を使っているためです.最後のスローを見ると1行づつ点灯しているのがわかりますね.こちらも写真に撮るとまだらに表示が抜けたように写ることがあります.(鉄の人たちの間ではベストに写るシャッタースピードが研究されているらしい)

PCやスマートフォンのLEDにもふわっと光るLEDが搭載されていることがあります.こちらをスローで見てみましょう.”Thinkpad” の ” i ” に仕込まれたLEDがふわっと点灯している様子です.

これは点滅を繰り返しているうちの,点灯している時間を調整することで目に見える明るさを調整するPWM(パルス幅変調)という方式を使っている様子です.これからクリスマスの時期ですが,イルミネーションに多く使われています.

では,最後に DOMINATOR MAXI を見てみましょう.

いかがでしょうか.

LEDのチラつきは皆無ではないでしょうか.お買い上げいただいた際は安心して写真を撮りまくってくださいね.


 

公式サイトにてメールアドレスをご登録いただいた方にDOMINATOR MAXIに関する先行情報をお届けしています.
http://dominator.cerevo.com/ja/