調達先が倒産!? その時現場はどう動いたか[14日目]


本記事は、Cerevoスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「Cerevo アドベントTechBlog 2017」の第14日目です。

Cerevo アドベントTechBlog 2017
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Cerevoの林(りん)です。このブログに登場するのは2回目になります。

現在業務としては生産管理や部品選定といった調達業務が中心です。今回は以前経験した、海外の半導体ベンダーが倒産したときのお話をしたいと思います。

それはある朝に起こった

某日朝、A社の日本支社の代表より連絡があり、「A社のアメリカ本社がChapter 7申請を裁判所に行った」との連絡を受けました。この申請によりA社日本支社の代表も解雇扱いとなり、今後の供給及びA社の状況は、すべてアメリカの裁判所の裁定で決まることに。

その知らせを受けて、当時在籍していた会社でも社内会議も行い今後の対応策を検討することとなりました。

Chapter 7とは何か?

日本でも会社が倒産した際にも処理手続きが何種類かありますが、Chapter7を簡単に説明すると

  • Chapter 7 = 破産法
  • Chapter 11= 民事再生法、会社更生法

にあたります。

Chapter 11の場合、会社を存続させて経営を立て直すことを目的の申請ですが、Chapter 7の場合、会社の債権等を整理した後に解散する事が目的のため会社存続の可能性が低く、アメリカの裁判所の処理決定後のA社製品の生産継続については、まったく不透明な状況でした。

何が起こるのか

裁判所に申請を行った時点で、メーカーの資産・負債は全て裁判所管轄になるため、その会社の物流がすべてストップします。納品スケジュールもすべて白紙化され、ただ納期が先送りになるだけなのか、それとも発注済みのものがキャンセルとなるのかわからない状況でした。

また、当時A社側に解析の依頼をしていた評価機がA社の開発センターにあったのですが、当初はA社の担当者が「オフィス立ち入りができないからすぐの返却が難しい」と言われていたものの、別の担当者が気を利かせて手元にキープしていてくれたことで、早急に回収することができました。

目先の対応

納品スケジュールの見込みが立たないという事は、当然ながらその後のスケジュールも当然見込みが立たない状況となります。

打開策としては

  1. 市場流通在庫から入手する
  2. 代替品を探し当てて置き換えする

という2つの策が考えられます。1に関しては在庫状況がわからず難しいこともありますが、半導体単体を取り扱うような通販サイトを中心に探します。

2に関してはメモリやFlashといった汎用品の場合は容易ですが、半導体によっては基板の設計を変更しなければいけない事がほとんどです。

当時、最初は1を選択していたのですが、途中で代替品を扱う業者が2社見つかりました。しかし、1社は入金後に無事発送してもらえたものの、もう1社については半分を入金した後に音沙汰がなくなってしまい、最終的に入手できませんでした。

ただ、当時の差し迫った状況を考えると、多少のリスクは承知の上で少し怪しい業者でもアタックをしないと入手出来ないほど、市場から物がなくなっている状況でしたので、結果としては代替品が入手できただけよかったと思います。

この経験を生かして

世間では設立された会社が10年後10%しかいないと言われていて決して他人事ではないお話ですが、海外のメーカーが潰れる、しかもChapter 7だったというのは私にとっても初めてのケースでした。調達先が潰れるなんてできれば考えたくもないですが、この経験を今後の業務においても生かしていきたいと思います。

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