Cerevo TechBlog http://wp.tech-blog.cerevo.com (株)Cerevoの中の人が書く、様々な技術情報を発信するBlog. Tue, 28 Mar 2017 06:49:41 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.4.2 レッツ&ゴー! 音声認識を使ってミニ四駆を「声」で操作!(MKZ4“魔改造” iOS編) https://tech-blog.cerevo.com/archives/2990/ Tue, 28 Mar 2017 06:25:12 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=2990 続きを読む ]]> こんにちは。アプリケーションエンジニアの中村です。

MKZ4も発売してからしばらく経ちまして、買ってしばらく遊んだものの、ホコリを被っているお宅もあるのではないでしょうか。かくいう私もそうだったのですが、子供のころ見ていたミニ四駆のアニメで、声でミニ四駆を操っていたのを思い出しましたので、MKZ4とスマホアプリを使って再現を試みてみました。

まずはiPhoneアプリを作成してみましたので、ご紹介したいと思います。追ってAndroidでの作成方法も記事にしようと考えています。

また、「INTERNET Watch」、「AKIBA PC Hotline!」にてリレー形式で掲載している – 触れてみよう電子工作×IoT 第2回 IoTで「パンツァー・フォー!」 1/48重戦車タイガーIを改造してスマホで遠隔操作してみた<前編><後編> – でご紹介した、1/48戦車をコントロールするカスタマイズ方法も後日ご紹介します。

必要な機材、ソフトウェア

  • Mac (macOS 10.11.5以降が動作しているもの)
  • MKZ4を取り付けたミニ四駆
  • iPhone (iPhone 6 Plus, iPhone 7で動作確認。どちらもiOSバージョンは10.2.1。)
  • Xcode Version 8.2.1 (App Storeからインストール)
  • サンプルアプリのソースコード (GitHubからダウンロード)

iPhoneアプリはMacでXcodeを使って作成できます。最新のXcodeのバージョンは8.2.1で、macOS 10.11.5以降で動作しますので、このOSが動作するMacを使用します。(名前で言うと、OS X El Capitan v10.11.5以降や、macOS Sierraですね。)

iPhoneはモバイルデータ通信が有効になっている必要があります。音声認識には、インターネット接続が必要なのですが、iPhoneをMKZ4のWi-Fiに接続すると、Wi-Fiではインターネット接続できなくなってしまうためです。

もちろんMKZ4も必要です。まだお持ちでない場合は、作例を 文系新卒でもIoTに入門できるのか?! 改造ミニ四駆製作キット「MKZ4」に挑戦 でご紹介していますので、ご参照ください。

事前準備

Xcodeのインストール

  • XcodeをMacのApp Storeアプリからインストールします。App Storeを開いて、Xcodeを検索し、「入手」ボタンを押してインストールしてください。
    mkz4-mac-appstore_01
  • インストールが終わったら、「開く」ボタンをクリックして、Xcodeを起動します。Xcode and iOS SDK Licence Agreementに同意して次に進みます。
  • 「Welcome to Xcode」と表示されたら、Xcodeは準備完了です。

サンプルアプリのソースコードをダウンロード

  • https://github.com/cerevo/MKZ4_VoiceCommander_iOS を開きます。
  • 「Clone or download」ボタンを押し、開いたダイアログのDownload ZIPを選択してダウンロードします。
  • ダウンロードしたファイルをクリックして、展開します。これでソースコードの準備は完了です。

実行してみる

設定を修正する

  • ソースコードのフォルダ内にある VoiceCommander.xcodeproj をXcodeで開きます。
  • 下図を参考に設定を修正します。
  • (1)をクリックしてプロジェクトの設定を開きます。
  • (2)をクリックして、「PROJECT」と「TARGETS」を表示します。
  • (3)をクリックして、「VoiceCommander」を選択します。
  • (4)の「Add account」ボタンをクリック します。(表示されていない場合はスキップして6へ)
  • Apple IDを入力し、(5)の「Sign in」ボタンをクリックします。
    mkz4-ios-xcode_11
  • (6)のTeamのプルダウンメニューをクリックします。
  • (5)で入力したApple IDのPersonal Teamを選択します。(7)
    mkz4-ios-xcode_12
  • (8)のようになることを確認します。
  • iPhoneをMacにLightning – USBケーブルを使って接続します。(9)のようなステータスが表示されていたら、接続することで、解消すると思います。
    mkz4-ios-xcode_13
  • iPhoneの画面をみると、「このコンピュータを信頼しますか?」と確認されるので、信頼をタップします。
  • (10)のインストール先をクリックし、接続したiPhoneを選択します。(11)
    mkz4-ios-xcode_14
  • (9)の部分が更新され、(12)のようになれば完了です。
    mkz4-ios-xcode_15

iPhoneにインストールする

  • (1)のRunボタンをクリックします。
    mkz4-ios-xcode_16
  • 開発者モードを有効にしますか?と聞かれたら、Enableをクリックします。
    mkz4-ios-xcode_17
  • Processing symbol files というメッセージが表示されたら、OKをクリックし、しばらく(5分程度)待ってから、(1)のRunボタンを再度押して下さい。
    mkz4-ios-xcode_18
  • アプリを起動できないというメッセージが表示されたら、メッセージに従ってiPhoneを操作します。
    • iPhoneの設定アプリを開きます。
    • 一般をタップし、下の方にスクロールして、プロファイルとデバイス管理をタップします。
    • デベロッパAppセクションにご自分のApple IDが表示されていると思いますので、そちらをタップします。
    • 表示されたダイアログ内の「信頼」をタップします。
    • 再度、XcodeのRunボタンをクリックします。
      mkz4-ios-xcode_05

アプリを使ってみる

  • アプリが起動すると、音声認識へのアクセス許可を求められますので、同意します。
  • 音声認識を開始するボタンを押すと、今度はマイクへのアクセス許可を求められますので、こちらにも同意します。
  • 再度、音声認識を開始するボタンを押しながら、iPhoneに向かって何か言ってみます。言い終わったところでボタンを離すと、認識結果を表示します。下図では「スタート」と言ったのを認識しています。
    mkz4-ios-app_01_smkz4-ios-app_02_smkz4-ios-app_03_smkz4-ios-app_04_s

MKZ4の電源を入れる

  • 本アプリが想定しているMKZ4本体のプログラムは、製品の説明書の手順通り書き込むサンプルプログラムのままで、特にカスタマイズの必要はありません。もし、何かカスタマイズしていた場合は、以下のサンプルプログラムを書き込んでください。
  • すでにサンプルプログラムを書き込み済みの場合は、電源を入れて下さい。

iPhoneをMKZ4に接続して操作してみる

  • iPhoneのWi-Fi設定を開き、「MKZ4」のネットワークに接続します。
  • 下記のコマンド表を参考に、キーワードを言って、操作します。
コマンド キーワード
前進 進め、行け、いけ、スタート
後退 後退、下がれ
左折
右折
停止 止まれ、ストップ

実装のポイント

以上で、動かしてみることはできるようになったかと思います。以下では、実装について説明したいと思います。

  • ソースコードの構成
  • App Transport Security (ATS) の設定
  • マイクと音声認識を有効にする

ソースコードの構成

Xcodeのナビゲーターエリアを見ながら、主要なファイルについて説明します。
mkz4-ios-xcode_06

  • ViewController.swift
    • アプリ起動後に表示される、メインの画面の動作が書かれています。
    • 画面の初期化、音声認識の初期化、音声認識したキーワードの処理などを行っています。
    • 音声認識のキーワードとコマンドの対応を編集したい場合は、こちらを修正してみて下さい。
  • Mkz4ApiCaller.swift
    • MKZ4へコマンドを送信する処理が書かれています。
    • ViewController.swiftから使っています。
  • Main.storyboard
    • メイン画面の要素の配置を行っています。
    • ViewController.swiftから、このファイル内のボタンやテキストを参照しています。
  • Info.plist
    • アプリの設定が書かれています。
    • 後述の、App Transport Security (ATS) の設定や、マイクと音声認識を有効にする設定については、このファイルに保存します。
  • Localizable.strings
    • 多言語対応の辞書です。
    • ViewController.swiftから、後述のLocalizedStringという関数を使って利用しています。
  • LocalizedString.swift
    • NSLocalizedStringという、多言語化辞書から文言を取得するための関数を、簡単に使えるようにするLocalizedStringという関数が書かれています。

App Transport Security (ATS) の設定

iPhoneからMKZ4にコマンドを送信するときに、HTTPで通信を行っています。ATSの設定がデフォルトのままだと、HTTPで通信できないため、設定を変更しています。Info.plist を開くと、「App Transport Security Settings」に「NSAllowsLocalNetworking = YES」という設定を行っているのが確認できると思います。こうすることで、同じネットワークにつながっているiPhoneとMKZ4でHTTPでの通信ができるようになります。
mkz4-ios-xcode_07

参考: NSAppTransportSecurity

マイクと音声認識を有効にする

iPhoneのマイクや音声認識をアプリから利用するには、ユーザーに許可を求める必要があります。許可を求めるダイアログを表示する際に、理由を表示する必要があり、理由を設定していない場合は、許可を求めようとしたタイミングでアプリが終了してしまいます。Info.plist を開くと、マイクは「Privacy – Microphone Usage Description」、音声認識は「Privacy – Speech Recognition Usage Description」に設定していることが確認できると思います。
mkz4-ios-xcode_08

参考: NSMicrophoneUsageDescription, NSSpeechRecognitionUsageDescription

終わりに

いかがでしたでしょうか。MKZ4、iPhone、Mac、Xcodeと、準備が少し大変かもしれませんが、一度準備が整えば、自分好みに修正していろいろと遊べると思います。今回の構成では、音声認識の結果を得るまでと、MKZ4にコマンドを送信終わるまでの時間が必要なため、どうしても応答性が悪く、残念に思うこともあるかもしれません。そのあたりは、今後の技術の発展が解決してくれることを祈りつつ、まずは音声で操作することを楽しんでいただければ幸いです。

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バックパッカー的な海外旅行の持ち物 https://tech-blog.cerevo.com/archives/4199/ Wed, 15 Feb 2017 04:00:24 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=4199 続きを読む ]]> お久しぶりです。ツバサです。
以前トルクメニスタンに関するエントリを書いて以来です。
その節は多くの方にエントリを見ていただいたようで誠にありがとうございました。

僕の最近の仕事といえば『旅行用デバイスを開発すれば会社のお金で海外旅行に行けるのでは!?』と夢想することですが、
これが思ったよりも大変です。

何も思いつきません。

まずいですね。
このままではただの妄想にふけっている人になってしまいます。

やはりアイディアというものはオフィスに座っているだけでは出てこないようです。
こうなったら実際に旅行に行ってみるしかないでしょう。

そういったわけで最近は単に妄想を膨らませているだけでなく、旅行の予定を立てることにも余念がありません。全く忙しい限りです。

さて、行先をはじめ旅行に関する情報を得る手段は色々ありますが、他の旅行者さんのブログ等web上の情報も大事な情報源の一つです。
僕も日々参考にさせてもらっています。
しかしこれまでは情報を受け取る一方でこちらからは何も発信してこなかったなぁ、という事に思い至り、これからは自分でも海外旅行情報を発信していこうかなと思っています。

今回は準備編ということで、まずはどんなものを持って行っているかということを紹介したいと思います。

旅のスタイル

旅行と一口にいっても色んなタイプがあります。
気ままに安宿を渡り歩く旅行もあれば、ツアーに参加する旅行もあるかと思います。

たとえば、しっかりとしたホテルに宿泊したり、格式のあるレストランで食事をするのであればスーツや革靴など相応の装いが必要になるかもしれません。
そうなってくるとバックパックよりもスーツケースのほうが荷物を入れるのに向いています。
このように旅のスタイルによって持っていく荷物も全く変わってしまいます。

そこで、このエントリ(とその続編)ではいわゆるバックパッカー的な旅行を前提としてお話しすることにします。
バックパッカー的と言っても特に定義があるわけではないのですが、
大まかなイメージとしては

  • 旅行会社のツアー参加ではない、個人旅行である
  • スーツケースは使わず、バックパックに荷物を入れる。
  • “Cheaper is better”が合言葉
  • ドミトリー(相部屋)宿泊が基本
    IMG_0613

といったところでしょうか。

持ち物

海外旅行に際し『何を持っていけばいいのだろう』と悩む人は少なからずいらっしゃるかと思います。
あれもいるかも、これもいるかもと、どんどん荷物が増えていきますが、往々にしてそのうちの大半は結局使わなかったりするものです。
僕も初めて一人旅をしたころには役に立たないものをたくさん持っていきました。

何度も旅行をしながら、以前使わなかったものを置いていき、一方で新しく出会った便利そうなグッズを新たに持っていくという、終わりのない最適化を繰り返しています。
下記では現時点ではこんなものを持って行っているよ、というのをご紹介します。

パスポートケース

僕が使っているパスポートケースはこちらのスライド式のもの。
ズボンと下着の間に隠すタイプです。パスポートのほかにも盗まれたくないものを入れておくのもよいでしょう。
こういった身に着けるタイプのパスポートケースは首下げや腹巻タイプなど数多くありますが、首から下げるものは外見からわかりやすく、腹巻タイプのものは取り出すのが一苦労なのが欠点です。
このタイプなら外見からも身に着けているのがわかりにくく、さっと取り出しやすいのでおすすめです。

パスポートケースにいれてるもの

  • パスポート
    多くの国ではパスポートの有効期限が半年以上残っていることを要求しています。出発前に有効期限を確認し、必要なら更新を行いましょう。
  • パスポートのコピー
    特に役に立ったことはないです。が、捨てる理由もないので入ったままになっています。
  • 予防接種記録
    アフリカ諸国と南米諸国では黄熱病の予防接種証明書の提出を入国の条件としているところがあります。そのため、渡航地がそういった国である場合には予防接種を事前に受け、その証明書を携行している必要があるのです。
    僕の場合、日本でA型肝炎、B型肝炎、破傷風etc の予防接種を受けた他にもトルコで黄熱病の予防接種を受けたので2つの接種記録をパスポートケースに入れっぱなしにしています。どこか他のところに入れておくと確実に紛失する気がしています。
    ちなみにこれが役に立ったことは一度もありません。
    黄熱病の予防接種記録の提出を条件にしている国にもいくつか行きましたが、提出を求められたことはなかったです。
    tb-2
  • 予備のクレジットカード
    メインのクレジットカードはお財布に入れて置き、普段はそちらを使いますが、財布を無くしたり盗まれたりした時に備えて予備のクレジットカードをパスポートケースに入れておきます。

財布

財布はこちらのものを使用しています。
以前はもっとアウトドア丸出しのものを使用していたのですが、流石にもうちょっとオシャレなものを使おうかなと思い購入。
条件として①見た目がいい、②チェーンやベルトがつけられる、の2つを基準に選定しました。
②はスリ防止の観点からです。こちらの財布にはベルトは付属していないのでベルトは別途アマゾンで購入しました。

財布の中身

  • 現金
    渡航地にもよりますが、現地通貨はまず現地についてすぐに困らないように1万~2万円程度を空港で替えておきます。足りなくなったら後はクレジットカードでのキャッシングで現地通貨を調達しています。
    行きと帰り用に適当な額の日本円もいれておきます。
  • クレジットカード
    クレジットカードは複数枚持ち、できれば別々の場所に保管しておきましょう。
    ブランド的にはVISAとMaterは世界中どこでも使えて、American Express はアメリカ方面では強く、アジアではJCBもそこそこ、という感じでしょうか。
    僕はマイルを稼ぐことにもラウンジを利用することにもあまり熱心でないので、海外旅行保険さえついていればその他の旅行関連の特典は気にしてません。
  • その他諸々
    レシートとか切符の半券とか特に意味もなく入れたままになってたりします。

サブバッグ(街歩き用バッグ)

サブバッグにはこちらで紹介されているpacsafe のCS200(大きいほう)を使っています。
生地のなかにワイヤーメッシュが入っておりバッグがナイフ等で切られても中身が取り出せないようになっているのをはじめ、スリ防止、置き引き防止の機能が盛り込まれています。
見た目はシンプルな肩掛けのバッグなのでいかにも『観光客です』という雰囲気を出さずに済みます。
飛行機内に持ち込む荷物もこのバッグとなります。

サブバッグにいれてるもの

  • BOSE QuietComfort 35
    機内をどう快適に過ごすか、というのは海外旅行する人にとっては一つのテーマです。
    これもその一環で、BOSE に限りませんがノイズキャンセリング機能を持ったヘッドホン等は機内の独特な重低音を忘れ去るのに向いているように思います。
    飛行機内で使われている端子への変換器を使い機内上映の映画や音楽もこのヘッドホンをつけて聞いています。
    イヤホンなどに比べると大きい荷物ですし、盗まれると割とショックですが快適さを優先して持って行っています。
  • Kindle paperwihte
    主に飛行機内での暇つぶし用です。スマートフォンやタブレットでも電子書籍を読むことはできますがバッテリの持ちの観点から別途Kindle をもっていっています。
  • Fireタブレット
    情報端末は何個か持っていると役立ちます。FireタブレットはiPad 等と比べるとお安いので万一なくしたり盗まれたりしても惜しくないので旅行用に購入しました。
  • マスク
    飛行機内でつけて喉の乾燥を防止します。あとつけていると涎を垂らしても気付かれません。
  • サングラス
    普段は屋内に引きこもっているので使用しませんが、旅行中は太陽の下を歩かないといけないので装着します。
  • 文房具
    何かと便利です。
    飛行機内で入国カードを書く時にも役立ちます。
  • 常備薬
    頭痛薬や酔い止めなど必要に応じてもっていきましょう。

メインバッグ

メインのバッグとしては Karrimor flyer 50-75 を使っています。
どうも75Lまでのモデルはなくなってしまったようで、現在では65Lまでのモデルになるようです。
特にこだわりがあるわけではないのですが、
①フロントアクセスを採用しているためそうでないものに比べてパッキングが楽
②最大75Lと荷物が沢山はいる。
等の点が気に入っています。

通常の観光旅行であれば50Lあればまず十分かと思いますが、
現地でキャンプや登山をする予定があると荷物が増えるので上限75Lはとても心強いです。
元々登山用だからか丈夫にできており壊れる気配もないので、しばらくはこれを使っていきそうです。

メインバッグに入れるもの

電子機器関係

  • 無印良品の変換プラグアダプター
    これ1セットでほぼ全ての国のプラグに対応できる優れものです。
    デザインもよいので非常に気に入っています。
  • 電源タップ
    ドミトリーに宿泊していると充電したいのに電源口が足りないということがあります。
    また、電源口の位置が微妙で自分のベットから使いにくいということも。
    そういう時のために普段家庭でつかっている電源タップを持っていきます。ケーブルの長さは1mもあれば十分かと思います。
  • 各種ACアダプターとケーブル類
    スマホをはじめとする電子機器の充電用に適当な数入れておきます。
  • 電動髭剃り
    普段家で使っているものをそのまま持っていきます。
    旅行用に小さめのものを用意したりはしていません。
    僕はアトピーを患っているため、普段と違うものをつかって皮膚にダメージを与えてしまうより、少し大きくともいつもと同じものを使い、旅行中に症状が悪化しないようにという判断です。

服関係

服や下着などは旅行日数と旅行先の気候に合わせて適当にもっていくという感じです。
この点については特にこだわりはないです。毎回適当に決めています。
ただ、荷物で一番大きな容積を占めるのがこの服関係になるので、あまり多めには持って行かず『足りないかな?』と思うぐらいにしています。
もし不足があったら現地で買えばそれでOKです。

その他

  • 洗面具入れ&シャンプーとか
    無印良品の洗面具入れにシャンプー、ボディーソープ、化粧水等々を入れています。
    これらもアトピーが現地で悪化しないように、普段使っているものを小分けの容器(これとか)に入れて持って行ってます。
  • 歯磨き用セット
  • 速乾性のタオル
    ミズノのものを使っていますが、最近手ぬぐいのほうがいいのではないか?と思い始めています。
    ここはもっと良いのないかなーと探しているところです。
  • Pacsafe のバックパック用プロテクター
    観光する際には大きなメインバッグは宿において身軽に歩きたいものですが、ドミトリーに宿泊していると他人が自由に入ることができる部屋にバッグを置いておくことになります。そうなると盗難が心配ですが、このプロテクターでバッグ全体を覆ってしまえば安心です。最終的に南京錠やダイヤル式錠でのロックになるので実際の堅牢さはともかく、泥棒に心理的に与える影響は大きいでしょう。
  • バックパックカバー
    正確にはメインバッグに”いれてる”ものではなく、メインバッグに”かぶせる”ものです。
    本来は雨でバッグが濡れないようにすることが目的ですが、メインバッグを空港で預ける際にバッグから垂れるベルト部分が嫌われることがあるので、カバーをかけてカバーの中にできるだけベルトを収納しておくのに役立ちます。
    tb-1
  • ロープ
    登山用のものを使っています。
    荷物を自転車に括り付けたり、洗濯干しにつかったりと何かと役に立ちます。
    IMG_5660
    1
    a (782)
    ↑の写真には洗濯バサミやハンガーが写っていますが、自分で洗濯する必要があるほど長期の旅行を最近しないので、これらを持っていく機会はあまりないです。
  • フォーク&スプーン
    現地のスーパーなどで食料を買っても箸もフォークもない、ということがあります。
    最悪手で食べればよいのですが、アウトドアショップなどでよく見かけるフォークとスプーンが一体になったものを持っていると便利です。
    IMG_5664

当日身に着けているもの

  • 財布
  • スマートフォン
    スマートフォンは普段自分が使っているものをポケットに入れていきます。ちなみに現時点ではiPhone 6 plus です。
    盗まれたりするとダメージ大きいですがやはり普段から使っているものが便利なのでここは快適さ優先です。もし盗まれても情報端末が全くないという状態にならないように予備として Fireタブレットを配備してあります。

  • 僕の場合、トレッキングなどを現地で行うこともあるのでそれ用にも使える靴として、
    アディダスのテレックス FAST R MID Gore-Tex を使っています。
    この靴の一番気に入っているところは自分の足によく合っており、長時間歩いても辛くならないところです。
    一応トレッキング用ではありますが、登山する際にもこの靴を使っています。
    たくさん歩いてもストレスがなく、しかも街歩きから登山までカバーできる便利な靴として非常に気に入っています。

終わりに

さて、持ち物はこんなところでしょうか。
本当は持って行っているけど書き忘れているというものがあるかもしれませんが、それは後々追記させていただきます。
しかし、絶対必要というものはパスポート、現金やカードぐらいで、大体のものは現地で買えます。なのでそんなに心配しなくても大丈夫です。
ヨーロッパやアメリカへの旅行ぐらいなら、東京から京都に行くのとそれほど変わりありません。
海外旅行だからといって気負うことなく気楽にいきましょう。

次回予告

次回のエントリの内容は全く決まっていません。
気長にお待ちいただければ幸いです。

ではまた。
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RIDE-1のオープンソース版ステー、外観データを公開 https://tech-blog.cerevo.com/archives/4520/ Tue, 14 Feb 2017 07:29:10 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=4520 続きを読む ]]> RIDE-1製品マネージャの佐藤(@key3)です。

いろいろな自転車でRIDE-1が使えるように、Hack RIDE-1プロジェクトの第1弾としてオープンソース版のステー、外観データの3Dモデルデータを公開しました。

スクリーンショット 2017-02-06 23.10.09

ファイルはSTL形式となっており、3D CADを用いて変更することができるため、3Dプリンタで出力することで、これまでRIDE-1が取り付けられなかったユニークな形状の自転車や、その他の乗り物で利用することができるかも知れません。

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ステーのモデルデータは製品と同じく自転車のボトルケージに取り付けるタイプのもので、S / M / Lの3種類をMITライセンスで公開しています。

外観のモデルデータも製品と同様のもので、うまく利用することでオリジナルのステーを作成することができるでしょう。こちらはCC BY-NC-ND 4.0に従ってご利用ください。

また、1月を少し過ぎてしまいましたが、先月実施したRIDE-1の更新内容をお届けします。

パスワードリセット機能の追加

パスワードを忘れてサービスにログインできなくなったことはありませんか?RIDE-1ウェブサービスにパスワードリセット機能を追加しました。これでパスワードを忘れても安心(?)ですね。

アクティビティ表示画面のユーザビリティ改善

地図を操作しているときに自動的にスケールが変わってしまったり、スクロールしてしまうことがありました。少々使いにくい印象でしたので、先月の更新で動作を変更しています。

※ユーザビリティにまつわる改善は不定期に実施されます。

また、今後数週間で以下の対応を進めていく予定です。

  • アクティビティ同期速度の改善
  • アクティビティ表示の改善
  • ANT+ Bicycle Powerプロフィールの対応

近日中にRIDE-1本体のBluetooth Low Energyのキャラクタリスティック定義とWebAPIの公開を予定しています。面白いアイデアがあればぜひ info@cerevo.com までご連絡ください。

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文系新卒でもIoTに入門できるのか?! 改造ミニ四駆製作キット「MKZ4」に挑戦 https://tech-blog.cerevo.com/archives/3896/ Mon, 23 Jan 2017 13:30:17 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3896 続きを読む ]]> こんにちは。中村です。

私はCerevoの中でも数少ない新卒のうちの、さらに希少種である文系出身です。「IoT」というバズワードが発する芳ばしい香りに誘われて2016年4月から事務系職として働いています。

さて、文系出身者である私は「IoT」のInternetもThingsもこれまで対して勉強したことがありません。しかし徐々に社外の方と交流する機会も増え、IoTについて質問をされることがよくあります。最初はそれっぽい適当な返答でごまかしたり、抽象度を引き上げて煙に巻いたりと、のらりくらりかわし続けてきたのですが、それにも限界があると感じ、いよいよ本格的にIoTについて勉強しなければならないと思い始めました。

しかしながら、世に出回っている「IoTがわかる!」系の本を何冊か手に取ってみたものの読んでもよくわかりません。人工知能とか自動運転とかが書いてあっても、それをどう実現するのかは書いてありません。

「これは困ったぞ……理系でなければIoTを扱うことはできないのではないか……」と思っていたそんな折、なんと弊社からIoTが学べる学習キットが発売されました。

今回のエントリでは、私が実際にこのIoT学習キットである『MKZ4』の組み立て行い、その体験を通じてIoTって実際に何をするものなのかをお伝えできればと考えています。

まだIoTとはなんじゃらほいという方も、是非このブログを参考に、『MKZ4』にトライしてみてください。

それでは早速行ってみましょう!

準備編

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  • MKZ4
  • MKZ4WK
  • ワイルドミニ四駆
  • MKZ4ガイドブック(Kindle版)

準備するものはこの四つです。

今ならなんと「MKZ4」「MKZ4WK」「ワイルドミニ四駆」をセットにしてギフトラッピングに対応した数量限定スペシャルモデルがCerevo official storeで販売されています。

また、MKZ4ガイドブックは腕に自信がある方はなくても構いませんが、電子工作が初心者という方は無いと厳しいです。付属のマニュアルだけでは落とし穴があります。Kindle Unlimitedでも読むことが可能ですので、ぜひ用意して臨むことをお勧めします。

電気編

準備が整ったらいよいよ開始しましょう。

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MKZ4を開封するとこんな感じです。

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こんなに小さなパーツもあるのでなくさないように注意しましょう(※これは振りです)。

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まずは電子部品から基板の上に載せていきます。ちなみに「基盤」ではなく「基板」です。これは入社してから何度も注意されますので、覚えておくとCerevoに入社しても困りません。

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はじめの一歩は抵抗です。3種類あります。パーツの色をよく見て間違えないように乗せていきます。s-P_20161216_155333

根元からガッツリ曲げないとこんな感じで浮きます。浮いても大丈夫ですが不格好なのでなるべく基板にぺったりくっつくようにします。

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こんな感じ。

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裏側です。

さて、ここまでできましたら、いよいよ半田付けを行っていきます。半田付けを行ったのは、中学3年生の時に手回しラジオキットを授業で作成たのが最初ですが、Cerevoに来てちょくちょく触らせてもらっていたためちょっと自信があります。

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機材はこちら。製品の基板は顕微鏡ないと厳しいですが、今回はなくて問題ありません。

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こんな感じでランドを熱し、左サイドから半田を付けます。

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1個付きました。

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反対側も半田付けします。

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基板を覗いてみて、穴が開いていなければしっかり半田が盛られています。穴が開いていると取れやすく、不具合の原因になるのでたっぷり盛っておきましょう。

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余った線はニッパーで切り取ります。

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最初の1つが乗りました!

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次々に抵抗を乗せていきます。

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セラミックコンデンサも乗せていきます。

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裏側です。半田付けするところがたくさんありますが、まだ序の口です。

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サイドから見て半田の盛り方がおかしいと感じたらその都度直します。

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お次にピンヘッダ。

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手で割ります。

s-P_20161216_162724

基板に置いて、

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マスキングテープで固定します。

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こうしておくことで裏返してもぐらつきません。

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半田付けし、おかしそうな箇所は修正します。

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ついでにL字ピンヘッダもつけてしまいました。

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LEDライトと電解コンデンサー。これらは取り付けの向きが決まっているので注意が必要です。

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さて、最初の難関のチップ抵抗まで来ました。すこぶる小さいです。鼻息で飛んでいくので扱いに注意が必要です。

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もはやフィルムをはがすところから苦戦。

やっと剥せたところで撮影するための席から半田席へもどろうとしたところ……

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落としました……。

あれだけ気をつけたのに、ピンセットで持ち運びをした結果がこれです。完全に迷彩になっています……。(ちなみに右上の白い点がそれで、探すのにとても苦労しました)
みなさんも本当に気をつけてください。

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気を取り直していきます。基板のランドの片側に「予備半田」とよばれる半田をあらかじめおいておきます。

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ピンセットで位置を合わせ、半田を溶かして乗せます。

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右側にも半田を置いて完成です。右側は上から半田を置いただけなので、若干不安です。しかしここは後々エラーが出たらその時に考えることにして先に進みます。

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電気編のクライマックスが早くも登場です。

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動かないよう台座に固定して、フラックスという秘密兵器を使います。これを塗ると半田付けが非常にしやすくなります。

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まず、最端の一個内側の4ヶ所を半田付けし、ESP8266を基板に固定します。端のピンはGNDにつながっているので半田付けに時間がかかり難易度が上がります。そのために内側のピンから半田付けを行います。

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非常に苦労しましたが、押切先生のご指導の下、すべてのピンの半田付けが完了しました。このESP8266の半田付けの解説はこちらの記事を参照してください。動画付きで非常にわかりやすく解説されています。

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山を越えたので後は一直線です。残りのコンデンサーをおいていきます。一つは後でモーターにつけるのでこの時点で余っていても問題ありません。

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モータードライバモジュールもつけ、終わりが近づいてきました。

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ワイルドミニ四駆の方からモーターを取り出し、余っているコンデンサーを付けます。

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この時忘れないようにピニオンギアをつけましょう。後から付けようとすると基板ごと動かす必要があり面倒です。

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電池ボックスを用意し、赤と黒の線をモーター接続用に切り離します。60mmです! ここで私は適当に半分くらいに切ったために後で電池ボックスの収納に苦労しました……。

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モーター。

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基板取り付けのため導線の被覆を向きます。オフィスにはそれ用のこんな便利なペンチがあります。

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つるん。

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途中、ブリッジしてしまったところの半田を吸い取ります。

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取り付けが完了しました。

これでMKZ4基板は完成です!

MKZ4WKを準備する

さて、お次はMKZ4WKです。
MKZ4WKとは、MKZ4にプログラムを書き込むのに必要なものです。

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これを、

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こうして、

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完成です!(特に難しい点はないので三分クッキングスタイルで行きます)

PCと接続して青いLEDが光ればOKです。

MKZ4基板にプログラムを書き込む

次からはMKZ4にMKZ4WKを通してプログラムを書き込んでいきます。

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MKZ4のジャンパーがD側になっていることを確認してMKZ4WKをMKZ4に接続します。

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MKZ4WKの接続する向きに注意しましょう。

ソフトウェア編

ソフト側の準備として、Arduinoのインストールが必要です。ここからダウンロードしておきましょう。以降ではインストールが済んでいることを前提に進みます。

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まず環境設定から、

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ボードマネージャーのURLを追加します。

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ボードマネージャーから、

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esp8266 by ESP8266 Communityのバージョン2.2.0をインストールします。

次にMKZ4のスケッチ(ソースコード)をここからダウンロードし展開しておきます。

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展開したファイルをダブルクリック。

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ボードマネージャーから該当のものを選択。

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コンパイルし、

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完了したらOKです。

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シリアルポートが表示されていればそれを選択します。

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マイコンボード(MKZ4)に書き込みます。

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書き込みが完了しました!

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ジャンパーをB側に移して、電池ボックスの電源をONし、赤色LEDが点灯すれば書き込みが無事できています。

ここまでで電気とソフトウェアは終了です。

メカ編

さて次に、ワイルドミニ四駆の組み立てに移ります。

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右上がMKZ4付属の特製パーツで、他はワイルドミニ四駆となります。

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前輪のパーツを切っていきます。

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二か所に切り込みを入れると、あとは力技で割れます。

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本体シャーシも前輪部分を切っていきます。

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ザクザク切ります。

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前輪部分がカットできればOKです。手が疲れるので適宜休憩しながら行いましょう。

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ギアをはめます。前輪部分は一つ使いません。

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カバーをパチリ。

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シャーシに穴をあける準備として、シールを張ります。

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穴をあけるには3mmのピンバイスが必要ですが、あいにく壊れたドライバーしかオフィスにありませんでした。良いのです。ドライバーが必要なのではなく穴が必要なのですから。

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こんな感じで二か所に穴をあければシャーシ側はOKです。

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ホイールの加工をします。ギア部分をカット。

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ドリルで六角の穴を丸くします。前輪について二つのホイールを加工します。ここで前輪に該当するホイールを誤ってしまうと完成しません。穴をあける前によく確認してください。なお、私はギアがついているホイールを両方とも前輪と勘違いしたため、とんでもないことになりました(後述)。

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タイヤを装着。

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黒いパーツを埋め込みます。

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この辺りは説明書通りなのでサクサク進みます。(※実はここで映っているタイヤは本来前輪ではありません。その事実にこの時点で私はまだ気づいていません……)

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今回のキモのサーボです。サーボホーンの先端を合わせます。

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ネジを留めていきますが、複数あるので注意が必要です。

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まずはサーボ本体を取り付けます。

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このように、先にサーボホーンに穴をあけましょう。

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どんどんねじ留め。

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前輪部分を本体シャーシに合体します。

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前輪を取り付け……と行きたいところですがここで問題発生です。

なんと、前輪と後輪の組み合わせを間違えていました。

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正しくはこちらです。

左後輪はギアがないとモーターの動力を受けることができません。わたしはこのギアがあるタイヤを前輪と勘違いしていたため、誤ってホイールの穴をドリル丸くしてしまいました。押切先生に懇願してタイヤを譲ってもらったのですが、交換用がない場合は新しいワイルドミニ四駆を準備する必要があります。大出費になってしまうので、くれぐれもドリルで穴をあける前にはどれが前輪でどれが後輪か注意して行ってください。

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タイヤを取り付けます。

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モーターをパチリ。

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MKZ4基板を両面テープでくっつけます。

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上から見た図。

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電池ボックスも本体シャーシに両面テープで固定します。私は導線を測らずに切ってしまったため短くなりすぎ、中央に固定することができませんでした。中央に固定しないと重心が左右に偏ってしまいますので、導線はきちんと測って切りましょう。

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後輪も組み立て、取り付けます。

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上側を留め具で留めます。

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最後に後輪の軸の保護パーツを取り付けます。

メカはこれで完了です。

個人的に鬼門だったのはサーボホーンの穴あけです。ネジがうまく回らずに時間がかかりました。タッピングネジには先が尖っているものと丸いものがありますが、尖っているものを用いることで穴を拡大しながらネジ締めを行うことができます。サーボホーンの穴あけには先が尖っているものを用いましょう。

動作確認編

電気とメカが完成しました!

いよいよお待ちかねの動作確認です。テスタでの測定もかっ飛ばして先に進めることだけに注力していたので、内心ビクビクです。

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電池ボックスに単四電池を三本入れ、電源をONにします。すると中の基板の赤LEDが点灯します。

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スマートフォンのWi-Fiから、「MKZ4」を選びます。パスワードを入力する必要はありません。

接続が完了したら192.168.4.1にブラウザからアクセスします。

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接続が確立すると、「CONNECTED」と表示されます。うまくいっているようです。

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フリックで操作します。

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おお! サーボが反応して前輪を左に傾けています!

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勢い余って段ボールに激突してしまいました。

かなり急ぎ足で組み立てたため、まっすぐ走らせようとしても左に曲がっていきます。逆に右に曲がりません。これはサーボの中心位置がずれているため起こっていそうです。修正が必要なところですが、ひとまず動いたことに満足して、今回はここまでにしたいと思います。

終わりに

いかがだったでしょうか。

初めての『MKZ4』組み立てでしたが、私は4, 5時間はかかったと思います。これは日ごろ半田付けを訓練していたので、チップ抵抗やESP8266も問題なく、また基板の半田付けでエラーが生じずにストレートに動作確認までこぎつけられたからでしょう(ある意味エラーがなかったため起伏の乏しい記事になってしまったことは反省です)。半田付けも初めてという方は、この2倍程度の時間を想定されると良いかもしれません。

丸1日、日ごろの雑事を忘れて童心に帰るというのは楽しいですよ!

是非みなさんもトライしてみてください。

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[24日目] NAT Traversalって知ってますか https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent24/ Sat, 24 Dec 2016 11:35:28 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3221 続きを読む ]]> Cerevoアドベントカレンダー2016、最終日です。といっても、どうやら大トリは弊社代表が年末までに昨年のネタの更新版を出すようなので、私はトリらしい何かとかでもなく、テックブログらしく技術ネタを書きたいと思います。
まつけんです。CTOをしています。今日はハードはほぼ関係ない、ソフトというかUDP/IP、TCP/IPな世界の話です。IPレイヤーより上でのお話です。

まず、NATと言われて動作を想像できる方どれくらいいるでしょうか。今や、ルータという名でNATが動作する機器は各家庭にほぼ設置されているのではないかと思いますし、携帯向けネットワークも昨今はLarge Scale NATもしくはCarrier Grade NATの導入という形でちょっと話題になったようにNATが導入されています。そんな世界では、グローバルIPが直接振られるのではなく、ルータやキャリア側でローカルIPからグローバルIPへのアドレス変換が行われるのが一般的です。NATと言いますが、今挙げた例は、正確に言えば、IP masquarade(マスカレード)です。NATはNetwork address translationなのでアドレス変換をするというもう少し広い意味で、グローバルIPとローカルIPが1:1で変換されるようなケースも包含されますし、サブネットを分けたローカルネットワークでの1:1や1:Nでの変換などにも利用されることもあります。

今回は、最も一般的な多:1でローカルIPからグローバルIPへとソースアドレスを書き換えて通信を行う(グローバルIPアドレスを共有する典型例)、ほぼどんな環境でも導入されていると言っても過言でなくなった、いわゆるIPマスカレードされている環境でのP2Pでの通信を実現する、NAT Traversalのお話です。

NAT Traversalとは

まず、NAT Traversal、日本語で言うと、NAT越え(NAT超えかもしれません。ここでは越えで統一します。)はなぜ必要なのか。IPv4アドレスが世に溢れ、すべてのデバイスにグローバルIPが割り当てられている状態であればそもそもNAT越えは必要ないわけですが、現実にはIPv4アドレスは足りないし、ルータ下にいない直接グローバルIPをデバイスがもつというのはセキュリティ的にも推奨されない(デバイス自身がbindしているポートへの通信をローカルネットワーク内のパケットに限定でき、脅威となるデバイスやサーバが容易に直接のアクセスがしづらい)のが現実です。そんなNATがあふれる世界でもP2P通信をしたい、という需要を満たすためにNAT Traversalという技術(というか、手法でしょうか)が考えだされるわけです。これはもうかなり昔からあるもので、様々な資料がネット上にもありますが、一度、自分の整理のためにこの記事を書いてみている次第です。

ルータの下にいるデバイス同士が直接するのはなぜそんなに難しいのでしょうか。まず簡単な通信の流れを下記図を見ながら説明します。もっとも一般的な構成として、ルータ下のネットワークをローカルネットワーク、ルータの外に存在するネットワークをグローバルネットワークとして考えます。そのときに、ルータ下のデバイスがグローバルネットワークと通信とパケットをルータの外のネットワークにあるアドレスに送ります。そのローカルネットワークの内からNATを通して外へという形で出て行く分にはルータがアドレス変換をよしなに行います。これがIPマスカレードです。やることはそんなに難しくなく、TCPの場合、ソースになったIPアドレスとポート(つまり、デバイスのIPとポート)と、宛先になるIPアドレスとポート、ソースアドレス書換後のルータ自身のグローバルネットワーク側のアドレスとポートを、最初にデバイスからパケットが来た時に組み合わせで覚えます。その上で、ソースアドレスをNATが動作しているルータ自身のIPとポートに書き換え、宛先にパケットを投げる、宛先からパケットが返ってくれば覚えてるマップにしたがって、その返信パケットの宛先をローカルネットワークにいる通信元のデバイスに書き換えてパケットを送信します。こうすることで、デバイスはソースアドレス変換が行われたことを知ることなく、外のインターネットな世界と通信ができるわけです。

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ここでNAT越えの話に戻ります。でも、宛先はあくまでグローバルIPでなければ(ルータを通してNATを通じて書き換えが行われなければ)、ルータは宛先を書き換える機能を発揮できません(通信双方のアドレスやポートを覚えて変換と転送ができません)。では、相手もNAT下にいる場合、そのローカルアドレスを指定するわけにもいきませんし(ローカルネットワークのアドレスなわけで別ネットワークにいるので届くわけはありません)、グローバルIPはルータがもっているわけなので、ルータ下に居るデバイスと通信するというのは極めて困難なわけです。

NATを越えてデバイス同士が直接通信するには

これの安直な解決方法のひとつがサーバーリレーです。要はデバイス同士が同じサーバに接続をして(この場合、サーバがグローバルIPを持っているのでどちらもルータ下のローカルネットワークから容易に接続ができる)その後の通信はサーバが介在して両者で通信を行います。ただ、この方式、TCPレベルで解決するには宛先を別途アプリレイヤーで指定する必要がありますし、なによりも、トラフィックがすべてサーバを経由するので、サーバの通信量が2倍、そして、サーバを経由するため経路としてはあきらかに冗長に長くなりレイテンシが悪化します。これは、P2Pでの典型的な例である、ビデオチャットやゲーム対戦の特性に対してあまりマッチしません。

ここまで前提を並べてきて、やっと本題にたどり着きました。それぞれのデバイスがルータの下にいたとしても直接パケットをどうにかして届かせたいという必要性が出てきます、それがNAT越えです。ここからはNAT越えを単純な手法から順に説明していきましょう。まずは極めて単純なUDP hole punchingです。これはあとから紹介しますが、特定の動作をするNATでしか通用しません。ここから、NATの種別ごとにどういう形で対応を増やしていくか、というのがこのNAT越えの議論のおもしろいところです。

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UDP hole punchingは上記の図の通り、cone NATが対象である限り、NATのグローバル側のIPとポートさえわかれば、そして、それをサーバで観測すれば、その後はサーバからIPとポートをそれぞれが教えてもらい、そこに対して、UDPパケットを投げ込めば到達できるわけです。
ここで、唐突にでてきたcone NATを含め、NATの動作によって分類をまず行いましょう。

  • full cone NAT
  • address restricted cone NAT
  • port restricted cone NAT
  • sequential port smmetric NAT
  • random port symmetric NAT

というふうに考えると、NAT越えの方法と特性が分類されます。まずはconeとsymmetricの差を考えてみましょう。

cone NATはシンプルな動作です。ルータ下のデバイスがグローバルアドレスに対して通信を開始し、パケットを送信したとき、ルータはソースになるIPとポートを覚えるのみです。それにしたがって、ルータのグローバル側のIPとポートをマップします。つまり、グローバル側のIPとポートに対して、グローバル側にいるデバイスであれば誰でもパケットを送信し、それはルータ下のデバイスにパケットはアドレスを書き換え転送されます。したがって、下記のような流れを経れば、UDPによるP2P通信が可能になるわけです。

  • ローカルネットワークAに存在するデバイスをαとし、ローカルネットワークBにいるデバイスをβとします。αとβが互いにUDPパケットを直接送受信できるのが最終目標です。
  • αとβを仲介するサーバをSとします。まず、P2P通信を開始したいという意思をαとβで共有します。そして、通信を開始するぞとなるタイミングをSから受け取ります。
  • すると、αとβはまず、サーバSに対して、UDPパケットを送信します。すると、パケットはαとβそれぞれのNATされたグローバルのIPとポートを観測することができます(ソースアドレスはNATされたルータのものが見えます)
  • それをαの情報はβへ、βの情報はαへと、サーバから通知を行います。(たとえば、P2P通信開始処理の間は、サーバとの間にTCPがはられていてここでやりとりするとかです。)
  • αはβのルータのグローバルのIPとポートに対して、UDPパケットを投げます。βも同様です。
  • cone NATであるため、ソースアドレスやポートに制限はありませんから、それぞれのUDPパケットは無事、それぞれのデバイスに届くことになります。

さて、cone NATの場合、こういったサーバが介在してアドレスとポートを伝えるという処理はあるものの、まだまだ単純な処理で終わります。次はaddress restricted cone NATとport restricted cone NATを攻略していきましょう。

address restricted cone NAT, port restricted cone NATはそれぞれfull cone NATに比べて制限が増えます。マッピングするときに、ソースのIP、ポート以外に、宛先のアドレスを覚えるのがaddress restricted cone NAT、ポート番号までも覚えるのがport restricted cone NATです。それぞれ攻略をしていきましょう。

address restricted cone NATは割りと簡単です。要は送った宛先のIPからのパケットでないと受け取りません。でも、サーバに送ってしまえば宛先はサーバになるわけでサーバからのパケットしか受けないことになります。では、αからβに送ったパケットはどうしてもNATに阻まれるはずです。でも、ここでcone NATのもう一つの特徴が際立ってきます。
cone NATの定義のひとつに、NATの外側のポートはソースアドレスになるデバイスのポートに従います。すなわち、αがport 30000をbindしてパケットを送ったとしたら、基本的には、NATもport 30000を利用するのがcone NATです。ここからが実際のNAT越えの方法をまた流れに沿って説明しましょう。

α、βそれぞれがサーバに向かってUDPパケットを投げ、サーバはそのIPアドレスとポートを観測します。そして、それをαとβに伝える。
すると、βはαのIPアドレスとポートに対して、UDPパケットを投げます。ここで重要なのは、βはbindするポートをサーバにUDPパケットを送ったときと同じポートを使います。このとき、NATはfull cone NATであれば通りますが、address restricted portやport restricted portでは、サーバとIPアドレスもポートも違う訳ですから通りません。が、β側のNATにはαのIPアドレスとポートへのパケットが記録され、βのIPアドレスとポートは維持されるわけです。ここで、αがβのIPドレスとポートに対してパケットを投げたとします、そうすると、βはさきほどのパケットはNATに阻まれたとはいえ、NATのマッピングができあがっているため、αからのパケットはβに到達します。また、このパケットでも、αはサーバへのUDPパケットを送ったポートをbindしていればNATには同様のマッピングがβのIPアドレスとポートに対してできあがるわけです。これで、αとβはそれぞれのNATを越えて通信ができるようになりました。

ここまで、cone NATの場合のNAT越えを説明してきました。実はこれはすでによくある方式として、STUNという形で標準化されています。実際はユーザ認証なども含みますが、P2Pの経路開通を行う方式はまさにいままでの説明通りです。いくつかのアプリケーションではSTUNが実装されているので参考にしてみてください。

ここからが、難しく解決できない問題に対して考えて行く形になります。
Symmetric NATです。これはcone NATと違い、ポート番号が再利用されません。つまり、ソースとなるデバイスでポートを固定したとしても宛先によって、別ポートが割り当てられることになります。そのため、サーバで観測したとしても、そのポートを再利用する方法がないのです。

さて、この場合、どういった方法でSymmetric NATを攻略するかを考えます。Symmetricの何がツライかというと、NATの外側のポートを観測してもそれを利用できないことです。いや、それは本当でしょうか。観測できることではなく、NATでどのポートが利用されるかと言い換えられるわけで、つまるところ、NATのポートは当たるなら予測でも良いわけです。では、予測可能か、が重要になります。Symmetric NATと言われるのもを更に分類しましょう。といっても、NATの内(ソースとなるデバイスのポートは固定)から外への通信が起こった際に、ポートがシーケンシャルに変化するか、ランダムに変化するか、です。

つまるところ、方法としては、例えばこうです。ソースとなるデバイスからサーバに対して、複数のパケットを打ちます。その際、bindするポートを固定します。そして、サーバの受けるポートはパケット数分変化させます。ここでは3発のパケットをサーバに対して投げてみます。そして、サーバからポートを観測します。このとき、ポートがどう変化するかです。例えば、+1されていく、+2されていく、-3されていく、ランダムに変化する、様々なパターンが見えるはずです。ランダムに変化する場合を除いて、NATの特性を予測するわけです。+1される場合はどうするか、もう分かりますね。NAT下のデバイスが1つしかなく、ほかの通信がないと仮定すれば、αからβへの通信を同じポートをbindした上でパケットを投げます。サーバで観測されたポート番号+1されたβはパケットを投げ込みます。そうすることで、NATのグローバル側のポートは予測され、そこにパケットを投げ込めば、おそらくは疎通するはずです。

ここからが考えどころです。実際にはNAT下のデバイスは複数あって他のUDPパケットが送られてポート番号はずれるかもしれません。もしくは、同じbindしたポートから通信しても、宛先のアドレスが違えば外側のポートが変わるかもしれません。前者はリトライでカバーするか、複数のポートをつかってα、βから送ってどれかが疎通したらその後はそれを使うかなどいくつかの方法が考えられますね。宛先のアドレスが違えば届かないことを考えると、サーバも複数のIPアドレスを持ち、それぞれに対しておくったときのポート変化も観測する必要があります。このあたりから観測の方法がどんどんと複雑化していくため、これに対して、どう対処していくかがNAT越えの最大の難所です。いままで、cone NAT, SymmetricNATという類型で説明してきましたが、昨今、この類型に意味がないと言われる所以がこのあたりから始まります。(とはいえ、NAT Traversalという技術を理解するにはこの類型も私は有用だと思っています。)

とはいえ、越えられないひとつに、ランダムにポートが割り当てられるSymmetric NATは対処のしようがなさそうです。この場合のみサーバーリレーを行うというのが疎通する確率を100%にする一つの方法です。そうではなく、ランダムにポートを開けるNATに対するポート予測方法をなんらか確立できる手法もあるかもしれません。もし、すでに公知だよという場合はぜひ情報へのポインタを教えてください。

ここまでで、UDP hole punchingのなんとなくの基本を学んできました。cone NATへの対処はSTUNの仕様、規格を読んでみてください。たぶん、この文章よりはよっぽど分かりやすいです、ここまで読んでいただく方にそう言うのもアレですが。また、実際、Symmetric NATの場合の方法としては、 https://tools.ietf.org/html/draft-takeda-symmetric-nat-traversal-00 を読むのがおそらく一番詳しく丁寧です。そういった意味でも、ここでの解説は初歩の初歩です、じゃあどう実装するんだというのから、サーバで何を観測するのか、そもそもNATが複数段あったらこの手法は果たして通用するのか。観測を複雑にしていけばいくほど、開通までの時間がかかります、それは本当にターゲットのアプリケーションにとって許容できるのか。Large Scale NATではこの穴開けが通用するのか、キープアライブはどうするか、セキュリティ的に必要な相手のパケットだけを見分けられるのか、認証はどうするか等、現実世界では、この抜け穴のような手法に対しての課題は山盛りです。そんなところの実地調査として、UDP hole punching自体はあまり表に見えない手法ではありますが意外なところで結構導入されていたりしますので、とあるゲーム機なんかで、P2Pで対戦通信しているな?とおもったときに、パケットキャプチャしてみるのもオススメです。

さて、最後に、いままでは、UDP hole punchingをベースに説明をしてきましたが、ではTCPの場合はどうなるでしょうか。まず、TCPにはcone NATという概念はまずあり得ません。それは、宛先との通信はステートをもって(つまりシーケンス番号を使って)通信されるため、宛先を限定しないポートマッピングというのはほぼ意味がありませんし、ほかのパケットを転送するというのはただのセキュリティホールです。なので、通常は、上記類型で言えば、Symmetric NATしか存在しません。また、さらに面倒くさいところが、TCPの通信シーケンスの始め方です。接続元はSYNパケットを送り、接続先はSYN、ACKをセットにして送ります、そして、接続元からACKが送られて、はじめてTCPでの通信は始まります。つまり、UDP hole punchingのように最初の一発のパケットはなかったことにするわけにはいきません。あくまで、SYNパケットは両者に届かないわけにはいかないのです。この通信開始の流れを3-handshakeと呼びます。

でも、それでもTCPでNATを越たい、という人にはヒントはあります。まず、TCPでの仕様では、3-handshakeだけでなく、4-handshakeでも問題なく通信は開始できます。つまり、αからSYN、βからもSYN、その後、双方からACKが送信されるようなケースです。ここから見えてくるのは、要はSYNをUDP hole punchingの最初のパケットとしてつかって複数送ったとしてもひとつだけ届けば通信は確立されるということです。これは、どこかで少し話題になりましたが、TCPの仕様に実際、TCP Simultaneous Openという名前で記載があります。ここまでくればあとの考えは分かりますね。これで、Symmetric NATと同じ手法でNAT越えはおそらく可能になります(これは私は実際に実装したことはないので、たぶん)

さて、というわけで……。ざっと、通常言われるNAT Traversalの手法の入り口を紹介してきました。STUN以上のもので簡単な実装を見られるものはいくつかあります。また、Symmetric NATへの対処の実装も、いくつかGitHubを漁ればでてきます。 https://github.com/zerotier/ZeroTierOne など。

とはいえ、NATの越方は様々、この上でどういう通信をするかも様々です。UDPでしか通信できない経路ではアプリケーションでは使い勝手が悪い場合もあります。そういう場合には、TCP over UDPを実装してあげてVPN的に使うのもよいかもしれません(OpenVPNが使っているようなTUN/TAPデバイスという仮想トンネルデバイスはLinuxではよく使われますね)また、NATに関わらず通信するためのサーバリレーの方法としてはメジャーなのがTURNを使った実装でしょうか。越えられなかったらTURNをつかってサーバリレーをするというところまでフローを実装するとより使いやすくなります。また、今回は出てきませんでしたが、ルータに実装されているUPnP実装では静的なポートマッピングが可能なものが多く存在します。UDP hole punchingとは別の方法で、NATの外→内の通信を可能にできる方法なので、こちらも組み合わせるとより多くのNATに対応できるはずです。でも、この場合も複数段NATがある場合はじゃあどうする、みたいなことがなかなかに難しいポイントです。まずは、ローカルネットワークとグローバルネットワークを見分けるような方法を実装しなければなりません。方法はいくつかありそうですが、ICMPでTTLを変化させて使うとできそうな気もします。要はtracerouteですね。

昨今、IPv6も徐々に普及し始め、NAT Traversalは不要になるかと思っていましたが、NATはIPマスカレードではなく、1:1のアドレス変換として生き残る雰囲気も少しだけ感じます。そんな中で、意外にNAT Traversalは必要とされる技術なのかもしれません。WebRTCは特性上、P2P通信ができれば好ましく、NAT TraversalもSTUNなどを使って行われるケースもあるようです、同時にTURNも使われる例の最たるものとしても。

今後どうなっていくか

さて、最後に、将来はというところを少し。これまでは、UDP/TCPの話をしてきました、それ以外もあります。SCTPが一番最有力なのではないかと思います。現状、メジャーではないものの、すでに実装はLinuxではしっかり入っていますし、途中経路のルータさえしっかり対応すれば(これが一番大変なんですが)、様々な課題を解決しています。ここから、SCTPを解説しはじめると、この記事はいつになっても終わらない形になってしまいますので、NAT Traversalにまつわるアレコレはここまでで一度締めさせていただきます。年末年始の空いた時間でSCTPを調べていただくときっと楽しいのではと思ったりしています。

最後に

この記事が果たしてアドベントカレンダーの最後に相応しかったかどうかはよくわかりませんが、NAT Traversalという古くからあるけれどマイナーな、でも、結構有用だと思っている技術の導入となる方がいたりすると幸いです。
途中から図がなくなったのは気力が間に合わなかったので、後で追加できたらしたいなと思っています。

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[23日目] メカ設計の経験がゼロでも筐体の製造原価を見積もる方法。プラスチック編 https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent23/ Fri, 23 Dec 2016 04:08:42 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3690 続きを読む ]]> ~スマホケースでメカ設計・原価計算の基礎をちょっとだけ学ぶ~

こんにちは。
株式会社Cerevoの柴田と申します。以前は某社炊飯器・掃除機の筐体・機構設計に携わっていました。
現在デザインエンジニアとしてスマート・ビンディング「XON SNOW-1」のメカ設計を担当したり、最近ではニッポン放送、グッドスマイルカンパニーとのコラボレーション企画、BLEラジオ「Hint」プロジェクトにて、プロダクトマネージャーを兼任しています。

プロダクトマネージャー(PM)として仕事する機会が増えてきて、仕様が固まる前に製品の見積もりを作ることが度々あります。仕様が固まる前なので、当然のことながらそれぞれの部品は設計前です。経験があれば、「これくらいの製品は、まあこんなもんだろう!」と決めることもできるかとおもいますが、最初の見積もりで製造原価を安くしてしまうと量産するときに製造原価を割ってしまい、利益が出ない製品となってしまうかもしれません。

PMとして、それは絶対に避けるべきであり、ある程度現実的で根拠のある製造原価を概算でもいいから、知る必要性があります。

なにもわからないと設計前の部品をどうやって見積って製造原価をイメージすればいいのか?と悩んでしまうでしょう。
今回は特にプラスチックのメカ部品を設計する前に、どうやって製造原価を見積っているか、スマホケースを例にお話ししたいと思います。メカ設計の経験がないけど、ハードウェアのPMやってみたい!という方は参考にしてみてください。

内容としては、樹脂を使ったメカ設計・原価計算の基礎的なことを掻い摘んで解説したもので、計算結果も概算となります。製造業で同業の人にとっては釈迦に説法となる面も多いですが、あしからず。

 

スマホケースでみる製造原価の見積もり方

①材料の選定、見積もりのための材料の価格決定

まず見積もりを考えるにあたり材料の選定をします。ここについてはズバリ、「黙ってABS」です。ABSとはアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンという樹脂の頭文字をとって付けられた名前です。
世の中にあるプラスチック製品、特に身の回りの家電は、かなりこの樹脂が使われています。ちなみに、お掃除ロボット「ルンバ」にも使われています。Amazonの商品説明にも記載されています。
他にもPP(ポリプロピレン)とかPC(ポリカーボネート)とかあるのですが、それはまた別の機会に。

次に、材料の価格です。樹脂はペレットという顆粒の状態で購入するのですが、業者でもないのにわかるわけない……と投げ出してはいけません。
そんなときは、オフィス用品/現場用品のASKUL(アスクル)です。意外かもしれませんがアスクルで樹脂ペレットが売っています。

アスクルで「ABS ペレット」と検索すると実験用の樹脂ペレットがヒットします。製造現場で樹脂のペレットは25kgごと(=1袋)の単位で購入するのが一般的です。アスクルも25kgで購入することができます。
アスクルの価格を使うと1kgあたり約800円となります。正直この数字はちょっと高めです。実際は1kgあたり300~500円くらいですが、今回は800円で進めます。

②スマホケースの重さを求める

プラスチック部品の製造原価を知るために重さは一番重要です。すでに部品のデータが出来ていて3Dプリンターで出力しているのであれば、その重さを測定します。
デザインが出来ていてデータもあるけど3Dプリンターで出力していないという場合は、3D-CAD(モデリングソフト)を使って体積を求めましょう。色々なCADがありますが、測定ツールの中に体積を測定するコマンドがあって、何回かのクリックだけで、体積を測定することができます。体積がわかったらABSの密度を掛け算して、算出することができます。

今回はあくまでもCADを使わずに見積もります。

Photo_16-12-11-03-28-17.004

まず、スマホケースなのでスマホの大きさを測定します。写真のスマホはだいたい縦15cm、横7cmです。これに厚さを決めて体積を求め、密度を掛けて重さを計算します。(スマホの上下・両サイドを覆う箇所は、ややこしくなるため割愛します。)
厚さ、一体どれくらいにすればいいか悩んでしまうかもしれませんが、ここもノウハウ「とりあえず2mm」です。プラスチック部品はどれも1mmから3mmくらいの肉厚です。手近にプラスチック製のコップがあれば見てほしいです。なんとなく1~3mmくらいです。細かい話はあるのですが、それくらいの厚さじゃないと作れないと思っていいです。スマホケースに限らず、樹脂の肉厚でどうすればいいか決まっていないときは、なにも考えずに2mm(0.2cm)と仮定しましょう。

体積=縦 15cm x 横 7cm x 肉厚 0.2cm =21cm³
となります。

これに、密度を掛け算すれば重さがでます。ABSの密度をさっそくググって……もいいですが、覚えておいて損はない(はず?の)うんちくがあります。おおよそ「プラの密度は1(g/cm³)」です。
単位は[グラム パー 立方センチメートル]です。物性によって前後しますが、おおよそ1と考えていいです。プラスチックは1辺1cmの立方体だと約1gということになります。正確な数値は各材料メーカーによって異なりますので、ご確認ください。

重さ=21cm³ x 1 g/cm³ = 21g

よって、重さは21gとなります。

③1個あたりの作業時間と④作業者の人件費

製造原価を決める上で、重さに次いで重要なのが作業時間です。作業時間が長ければ長いほど製造原価が上昇してしまいます。
実際に工場に行ったこと無いし、プラスチック部品がどうやって作られているなんて……と嘆く前に「YouTubeで動画を検索」しましょう。”射出成形 動画”で検索してください。工場に行ったことが無くてもどんな感じか、なんとなくわかります。動画から作業時間を仮定します。注目してほしい動画は時間が短い4分未満の動画です。時間が長い動画は、射出成形(=プラスチック部品を作る工法の名前)の解説動画だったりするので、別途勉強したいときに観てください。
時間が短い動画で、淡々と射出成形の様子が撮影されているものがあるので、その動画の動作を注目してください。

工作機械の中にある金属の塊同士(=金型)が重なって数十秒止まった後に、金型が離れて中からプラスチック部品が出てきます。これが射出成形の動作であり、プラスチック部品が出来上がる1個あたりの作業時間です。
動画では、またすぐに同じものを量産し続けます。動画から1個あたりの作業時間を30秒と仮定します。

作業時間が決まったら、人件費です。YouTubeだとロボットアームが動いていたりしますが、今回はそこまで豪華な設備が無いことを仮定します。工作機械のオペレーターがいて、その人が金型からプラスチック部品を取り出す場合、時給を支払わなくてはいけません。
今回は時給1000円と決め打ち。1秒あたりの費用まで落とし込みます。

1時間あたり1,000円=1分あたり167円=1秒あたり2.8円

時給1,000円は1秒2.8円となります。

○製造原価算出

今までの数字を合算して製造原価を求めます。

①1gあたりのプラスチックの価格 1kgあたり800円。1gあたりだと0.8円
②スマホケースの重さ 21g
③作業時間 30秒
④人件費 1秒あたり2.8円

製造原価 = ①ABS 0.8円/g x ②重さ21g + ③作業時間 30秒 x ④人件費2.8円/秒
=100.2円

ざっくりですが、100.2円となります。この計算から、スマホケースの製造原価は100円くらいだとわかります。
また、① x ②を原価計算の用語で、直接材料費(略して直材費:Direct material cost)、③ x ④を直接労務費(直労費:direct labor cost)と呼んだりします。詳しくは原価計算の本で勉強してください。

今回の仮定はだいぶラフで、高めに算出されています。憶測ですが実際はもっと安いと思います。

◇主な製造原価の低減案

  • 安価な樹脂の選定:今回はアスクルで販売している実験用の樹脂で計算したため割高。
  • 軽量化:厚さを薄くすれば体積が減って安くなる。
  • 金型に同じ部品を複数配置し、複数取りにする。:2個取りにすれば1個を作る時間で2個作ることができる。
  • ロボットアームによる時短:人間よりも無駄な動きがない。作業効率アップ。
  • 人件費が安いところで製造:日本国内ではなく、アジア近隣諸国(中国など)で作る。

逆に、製造原価を上昇させる要素もあります。不良率(100個作った内、何個が不良か?)や工作機械のメンテナンスに使った油の費用(間接材料費)、管理費等などです。ただ、それを加味しても、この計算の数値から大きく外れることはないでしょう。ちなみに、私が持っているスマホケースはポリカーボネート製で14gでした。材質こそ違いますが、そんな感じでしょう。

○まとめ

・製造原価=1gあたりのプラスチックの価格 x 重さ(体積x密度)+作業時間(秒)+人件費

数式は自体は簡単なので、その数式のための仮定がどこまで現実的か、がポイントです。

  • 材料選定迷ったら「黙ってABS」で。
  • 詳細設計してなくても肉厚は「とりあえず2mm」にしよう。
  • 体積わかったら「プラの密度は1(g/cm³)」だから重さもわかる。

慣れてしまえば難しいことはありません。実際には、金型の取り数、成形機の型締力、部品点数や組立工賃など、様々な要素が追加されてメカ全体での製造原価が算出されます。
プラスチック部品の製造原価の算出について、全くピンとこないから不安だ……というときはちょっとでも参考にしていただけたらと思います。

自分があまり詳しくないことでプロジェクトがうまく進まないときは、特に腑に落ちないものです。でも、ちょっとでも知っていれば納得できることもあります。その知識やノウハウは、過去の経験や実績からくるものではなく、やる気を持って、逃げずに・真摯に物事を取り組む姿勢がきっかけとなって、体得できるのだなと、Cerevoで日々痛感しております。

ハードウェアのPMに興味はある、でも経験がないから……と尻込みしているなら、まずは弊社の採用面接を受けてみてはどうでしょうか?プロダクトマネージャー絶賛募集中です!!

 

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[22日目] 出張先は展示会ではなく、城塞都市での大規模コスプレイベントだった https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent22/ Thu, 22 Dec 2016 11:18:03 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=4338 続きを読む ]]> またひとつ、素敵な物語が最終回を迎えてしまいました、今一番行きたい場所はバルセロナ大聖堂、谷口です。
普段は調達業務を担当していますが、最近は、海外出張に行かせてもらう機会が増えてきました。先月頭イタリアで行われたイベントのレポートを書いてみたいと思います。

 

イタリアと言えば、ローマ、ミラノ、フィレンツェなど、美味しい食事に綺麗な風景が楽しめ、計画を練ってじっくり巡るもよし、ぶらり街歩きするもよしということで、旅行経験ある方も多いのかなと思います。
けれど、そのなかのルッカという城塞都市で行われる「Lucca comics & Games」というイベントをご存知でしょうか。
とりあえず城塞都市ってこの響き、やばいですよねわくわくしますよね。
ルッカはフィレンツェから北西に車で約1時間、電車でも1.5時間程の距離にある古き良き街並みを残した、普段はとても穏やかな田舎町です。ただし年に1度、このイベントの期間中は35万人(昨年期間合計)もの人が集まり、大通りはある時期の国際展示場並みに混雑します。
今回わたしはそのイベントのJAPAN TOWNと呼ばれるエリアで、ドミネーターの展示・販売をしてきました。日本のアニメグッズ企業さんや、和装小物や浅葱の羽織販売のお店などが集まるエリアです。

Lucca_03
茶色は建物、黄緑は芝生、黄色がブースの特設テントなイメージです。

ゲームやコミックや映画、ジャンルで大まかにエリアが分かれてはいますが、街中の広場や公園にテントを建てているので良くも悪くも点在しています。お目当てを巡りながらお腹が空いたらピザ食べて、ちょっと疲れたらジェラートで回復して、気ままに歩き回れる雰囲気、よかったです。

規模感で言えば世界最大級の集客数を誇る!割に、パリのJapan Expoや、欧米諸国でのコミコンに比べ、あまり日本では情報を見かけないように感じます。正直私も、今回の出張が決まるまでイベントの存在すら知りませんでした。
今回の日程は10/28~11/1の5日間、日ごとに入場券の購入が必要で、平日は€34~、日曜で一番賑わうだろう10/30は€80! にも関わらず、チケットはSold out。

お客さんの一人が、イタリアや近郊諸国ではとても有名なイベントで、この日の為にお金を貯めて年一の楽しみにして来るんだよと話してくれました。華やかなイメージと対照的に、失業率の話題がシビアなイタリアで、その規模を維持しているのは凄いなというか、多くの人に求められてる空間なんだろうなとも感じました。

改めてすごいなと思うのは、石畳に煉瓦の壁にゴシックな教会、中世を感じる街並みでした。雑多なくらいにジャンルが入り混じったコスプレでも、雰囲気があいまって全てにハクもたせてくれるのが、本当にすごい。

Lucca_01

アニメキャラも映画のヒロインも、リビングデッドな仮装も、カップルや友人同士やファミリーも。歩いてるだけ座ってるだけでも鮮やかで、単純に目が楽しかったです。

Lucca04
城壁といえばやっぱり思い出すのはこのアニメ、こう、なんというか、込み上げてくるものがあります……思わず右手胸にあてましたもん……、ショコラティエの前はズルかったなーーー

ある海賊一味が騒ぎながら通り抜けて行ったり、ある自宅警備員さんも海外派遣されていたり。ポーズをとってても自然な表情でも、どこでシャッターを押しても、無機質なものが写り込まないってことが、作品としての物語の背景にすらなってくれてるような存在感でした。

Lucca_02
青空の元、歴史的な建造物の乳白を背景に撮るもよし。並木がちょうど紅葉する時期、城壁の上の遊歩道で夕日をちょっと見下ろすアングルでコントラストつけて撮るもよし、異世界ファンタジーな格好もよし、中世スチームパンクな装いは馴染みすぎてとてもよし。
遊園地のハリボテではない普段は人が生活している空間なのに、こんなにも非日常な風景になるのが冷静になるととても不思議で、でも、半数と言ってもいい位沢山の人がコスプレしている事で説得力が出るのかなと思いました。

アニメ好きさんだけという訳ではなくハロウィンということも相まって、観光客やイタリアの人もお祭り気分で来るようです。おかげで、普段あまり見ていただく機会がなかなか少ない小学生や年配の方々にも触ってもらえました。ドミネーターは元々開発メンバーとして関わってきた製品でもあるので、「Figata!!」って驚く顔やリアクションと、笑顔を沢山見れて、好きや楽しいを共有できるの嬉しいなと素直に感じました。
また製品からアニメ原作に興味持ってくれた方も多かったので、これをきっかけに作品がまた盛り上がってくれるといいなと思いました。

現地では残念ながら写真をあまり撮れなかったので、絵日記風にしてみました。が!機会があったら、ぜひともカメラを持っておめかしして、不思議空間を楽しみに行ってみてください。

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[21日目] LiveShell Xに装着できる「角度調整足 兼 microSDカードカバー」の作り方 https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent21/ Wed, 21 Dec 2016 11:26:13 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=4229 続きを読む ]]> はじめまして。デザインエンジニアの横田です。最近は、ライブ配信機器「LiveShell X」のデザインとメカを担当しました。そこで、せっかくなので今回のアドベントブログのテーマもLiveShell Xに関係するものにしてみました。

LiveShell Xに見られるネジ穴たち

LiveShell Xの筐体をよく見ると、今までのLiveShellシリーズの筐体と比べるとネジ穴の数が多い事がわかるかと思います。

これは、いままでのシリーズを使われているお客様の貴重なご意見も参考に、リグ、ラックをはじめ、いろいろな場所に取り付けられること等を想定した為です。最終的には「右側面、左側面にそれぞれM4ネジ穴を2つ(合計4つ)」「底面と側面に三脚用のネジ穴を1箇所ずつ(合計2つ)」を搭載することになりました。

そんなネジ穴たちですが、いろんな箇所への取り付けに使えるのはもちろんの事、工夫次第で色々使えそうな気がしてきますよね。そこで、今回は固定以外の使い方の一例として、録画中にうっかりSDカードがはずれないような「角度調整足 兼 microSDカードカバー」になるような部品をレーザーカッターで作ってみました。作り方を簡単に紹介してみたいと思います。

1. 外形図のpdfをダウンロード

LiveShell X公式サイトのSPECのページから、外形図のpdfをダウンロードすることができます。まずはそちらをダウンロードしましょう。

2. 部品のデータを書く

ダウンロードした外形図のpdfをイラストレーターで開き、ネジ穴の位置に合わせ「角度調整足 兼 microSDカードカバー」のデータを作成します。


↑外形図から側面のみを抜き出し、それに合わせて部品データを作成します。


↑レーザーカッターで切り出すために、部品だけのデータにしておきます。

3. レーザーカッターで切り出し

データができたら、アクリル板(厚さ2mm)をレーザーカッターで切り出します。


↑レーザーカッターで切り出し中。


↑切り出された部品。

4. 組み立て

完成した部品を、M4のローレット飾りねじで筐体に取り付けます。

5. 完成

完成状態は下記写真のとおりです。


↑アクリル板部品でmicroSDスロット部分を覆い、直接microSDカードを触れないようにしています。microSDカードが差さっているかどうかが確認出来るように、アクリル板は透明を使用しました。


↑同じ部品を反対側側面にも装着すると、角度調整足にもなります。通常状態から角度調整足状態にするには、ローレットねじを緩め部品を回転させ、くぼみに合わせてネジをとめればOKです。


↑卓上に置いた時に角度がつけられる。

最後に

今回は、LiveShell XのM4ねじ穴の、固定以外の使い方の参考として「角度調整足 兼 microSDカードカバー」の作り方を書いてみました。あくまで一例ですが、参考になれば幸いです。

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[20日目] 基板を起こしてモータを動かそう https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent20/ Tue, 20 Dec 2016 05:36:22 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3770 続きを読む ]]> 男の子ならいくつになっても動くオモチャって楽しいですよね。エンジンやモータが好物です。電気エンジニアのべーたです。

今回は簡単にモータを回して遊ぶ方法をご紹介します。
趣味で工作をされる方にはArduinoやmbedで動かしている人が多いので、それらとは違うアプローチで動かしてみます。
 

サーボモータを動かす

ラジコンサーボを動かしてみましょう。ラジコンや工作をする方にはおなじみのアクチュエータですね。こんなやつです。

DSC_0677

MG-90S (Tower Pro 社製)

制御回路やモータドライバ、ギアやポジションセンサがパッケージングされている便利なモータです。

電源と、たった1本の信号線を繋ぐだけで動作させられるので簡単に扱うことができます。サーボモータは目標角度の指令を入力すると出力軸が目標角度まで回転します。ミニ四駆に入っているようなブラシモータとは違って何回転も回すことはできませんが、ある角度の範囲内であれば大きな力で指令の向きまで出力軸の向きを変えてくれます。

どんな信号が必要か

一般的な小型のサーボでは電源電圧に4.8から6Vを与えます。位置指令はパルスの長さで与えます。このとき、パルスの長さが1.5ms(ミリ秒)で中央となり、そこから±0.5ms程度でそれぞれ両端まで動くサーボが多いようです。これについては様々な方が解説してくれているのでそちらへ譲ります(「サーボ 動かし方」などでググって下さい)。

ところで、サーボへ入力するパルスの電圧振幅はどれくらいが良いのでしょうか。一般的には、LレベルはGNDでHレベルはサーボに与えている電源電圧でしょう。

では、ちょっと真面目に考えてみます。サーボモータのトルクを目いっぱい使いたい時には6Vの電源を用意するでしょう。しかし6Vの信号を出力できるマイコンはそうそう無いはずです。逆にマイコンが5Vや3.3Vで動作している場合はサーボの電源も合わせて5Vや3.3Vを供給しなければならないでしょうか?

私が実際にサーボモータに6Vを供給し、マイコンから3.3Vのパルスをサーボに与えてみたところ、正常に動作することを確認しました。手元で1台動いたからと言っても100台で正しく動くでしょうか?1000台では……?設計者がもしもこのままサーボを量産で使ったとしたら歩留まりが気になって眠れなくなってしまいます。実際にはどれくらいの電圧の信号が許容されるのでしょうか?エビデンスを残しましょう。

その答えはサーボモータに内蔵されている制御回路を司るICのデータシートにありました。電気エンジニアにとっては非常にメジャーなICメーカに新日本無線という会社があります。このメーカがサーボに内蔵されている制御用ICを製造しているようです(互換品をルネサスや中国メーカも製造しています。電気的仕様もほぼ同じようです)。

では、NJM2611のデータシートを見てみましょう。注目すべきは「電気的特性」の表です。

電気的特性

NJM2611データシートより

「最小パルス電圧」という項目がありました。所謂「Hレベルの入力電圧VIH」と同様のパラメータでしょう。これによると「最小1.85V」とあります。言い換えると、Hレベルが1.85V以上のパルスを与えれば良いということになります。

これで3.3Vや5V振幅のパルスで問題ないというエビデンスが得られました。すっきりしましたね。(どうやら他メーカのサーボコントローラICも同様の入力特性であり、おおよそTTLレベルと考えて良さそうです)
 

マイコンを動かそう

さて、どのような信号を用意すれば良いのかがわかったので実際に信号を作っていきましょう。マイコンからはパルス幅が最小1ms, 最大2msのワンショットパルスを出力することにします。それをタイマ割り込みで20ms程度毎に出力すれば良いでしょう。こういう場合にトラディショナルなマイコンであれば、

タイマのレジスタを探す → ワンショット動作&ピン出力に設定 → コンペア値をセット

というような手順を踏むかと思います。最近の高級な開発環境であればタイマ周りの設定をするAPIが提供されていて、それを叩く方が多いでしょうか。そこで、今回はモータを回すのが目的なので、面倒な設定を考えずに済むPSoC5LPを使ってみます。PSoC5LPとは、ARM Cortex-M3コアとプログラマブルロジックを搭載したマイコンです。このプログラマブルロジックを使うにはGUIで線を繋いでいくだけできます。ペリフェラルを自由に構成することができるため、PWMをたくさん欲しい時に重宝します。他にどのような活用方法があるのかは拙著のプレゼン資料をご覧いただくか、ちょうど PSoC Advent Calendar 2016 が開催されています。こちらを眺めてみると良いでしょう。私が初めてPSoC5を使った時はマイコンのアーキテクチャを意識せずに扱えるのがとても新鮮だったことを覚えています。

今回はPSoC Creator にて提供されているPWMコンポーネントを使います。ツリーからPWMと出力ピン、クロックを持ってきてこのように繋ぎました。リセットを操作するためにControlRegを接続しました。

コンポーネントの配置と配線

コンポーネントの配置と配線

パルス幅の分解能を10us単位にすると扱いやすそうだったのでクロック入力は100kHzとしました。8bit幅なので0.01msから2.55msまでのパルスを生成できます。続いてPWMコンポーネントをダブルクリックして表示されるダイアログを設定します。

PWMコンポーネントの設定

PWM

PWMコンポーネントの設定

こんな感じにしてみました。

ポイントは Run Mode を “One Shot with Single Trigger” にするところでしょうか。デフォルトの “Continuous” のままでは間髪入れずにパルスが出続けてしまいます。ワンショット動作であれば、Trigger後に1つしかパルスが出ないので、トリガをソフトウェアから適切なタイミングで与えるようにします。
 

基板を作る

サーボを動かせそうな目処が立ったので、せっかくなので基板を起こしてみます。そのほうがたくさんのサーボを接続するのが楽です。

最近は無料でもそれなりの機能をもっていて、回路図から基板ガーバ作成までできるソフトウェアが増えてきました。CircuitMaker(オススメ)KiCAD(日本語文献が豊富)DesignsparkPCBなどが流行っているようです。更に、格安で基板を作れるサービスも増えてきました。スイッチサイエンスPCB(日本語で利用可)やSeeedStudioのFusionPCB(オプション豊富で安い)、ElecrowのPCB Prototyping service(基板だけでなくステンシルも安い)などが非常に安価に利用可能です。5cm角の両面基板なら10枚で10ドル程度から製造してくれます。ユニバーサル基板と変わらない値段ですね。

では、まずは好きなCADを使って回路図を引きます。PSoCはIOピンを非常に自由に割当可能なのでざっくり適当に引きます。

回路図

これを

ここから基板を引きます。モータ用電源はマイコンとは分離してアートワークするのがポイントです。

基板

こうして

こうしてできたデータを今回はElecrowで製造してみました。基板が9.5ドルと送料がOCSで13.23ドルでした。

こうじゃ

こうじゃ

部品をはんだ付けして完成です。

要求電流の見当がつかない上に、電流をたくさん流せるような電源コネクタを用意するのが面倒だったので、横着して圧着端子直付けにしてしまいました。良い子のエンジニアは真似しないでくださいね。これは後々サーボの評価とキャリブレーションに使う予定です。
 

ソースコード

PWMやControlRegはAPIを使って操作します。APIのリファレンスはデータシートを読んでいただくとして、叩く必要のあるAPIは以下で済みそうです。

void PWM_Start(void)

void PWM_WriteCompare(uint8/16 compare)

void ControlReg_Write (uint8 control)

これらを、タイミングよく操作するために一定間隔で割り込みを発生させます。プログラマブルロジックをなるべく消費したくないので、ARM系CPUが必ず持っているSystickと呼ばれるカウンタを使ってみます。設定は以下です。

CyIntSetSysVector(15,<割り込みルーチンへのポインタ>);

SysTick_Config( (<バスクロックの周波数>) / <割り込み周波数>);

これらを使ってサイン波のテーブルを順次読み出すようにしてみました(ソースはこちら)。

動作確認ができました。この基板はサーボをたくさん接続できるようにしたので、せっかくなので繋いでみます。Creator上でコンポーネントを並べます。コピペを多用します。

PWMコンポーネント1つあたり2本のPWMを出せます

PWMコンポーネント1つあたり2本のPWMを出せます

コードも同様にコピペで増やします(ソースはこちら)。

それぞれのサーボが独立して動いているのがおわかりいただけるでしょうか。ハードウェアタイマを使って16本のPWMを出力しています。他のマイコンではなかなかできない芸当ですよね。

この状態でもまだまだ半分以上のリソースが余っているので50本以上のPWMを出力することができそうです。サーボに限らず一般的なDCモータやブラシレスモータも楽に駆動できそうです。
 

たくさんのモータを回しています

という事で、絶賛開発中のタチコマには20を超えるモータが搭載されています。現在は様々なアクションを楽しんでいただけるよう調整を行っています。もちろん、機能はモータだけではないですよ。これからの発表を是非楽しみにしていてください。

ぼくタチコマ

ぼくタチコマ

※写真は開発中のものです。
 

Reference:

Cerevo Blog: 「攻殻機動隊」に登場するタチコマを現実世界に再現するプロジェクトを開始
Engadget Japanese: Cerevo、1/8スケールの『タチコマ』をニコニコ超会議で披露。クラウド経由で学習内容の並列化機能も搭載予定?

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[19日目] 徳で人生を豊かに。ボードゲーム「枯山水」自動得点計算で、めざせ快適徳ライフ! https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent19/ Mon, 19 Dec 2016 07:27:22 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3755 続きを読む ]]> こんにちは!組込みソフトウェアエンジニアの村田です。今年入社したばかりなのでまだ「これやってます!」みたいなことは言えないのですが、それでも強く生きています。さてTech Blogということで技術情報について何にしようか悩んでたのですが、最近の流行りに乗って機械学習を簡単にやってみるというテーマにしました。キーワードは「枯山水」と「TensorFlow」です。

枯山水とTensorFlowの関係

まずはキーワードである「枯山水」と「TensorFlow」について紹介しましょう。

枯山水のルール

図1. 枯山水(ボードゲーム)のルール

「枯山水」とは”水のない庭のことで、池や遣水などの水を用いずに石や砂などにより山水の風景を表現する庭園様式”(Wikipediaより)のことです。ヘッダーの画像は「京都フリー写真素材」の素材を使わせてもらっています。そして、この枯山水を自分で作るボードゲームがあるのです。ルールは簡単!「砂タイル」と「石」をおいて図1右側にあるような美しい庭を作ります。タイル同士のつながりや石の配置によって得点を計算するのですがこれが手順が多くてめんどくさい。以下に点数計算の手順を列挙します。

 

  1. 砂の基礎点
  2. 苔の基礎点
  3. 対称性ボーナス
  4. 渦ボーナス
  5. 砂紋の評価
  6. 石の基礎点
  7. 石組みの評価
  8. 名庭園

めんどくさくなったら自動化するのがプログラマですよね。というわけで、図1の右側にあるようTensorFlow_logoな庭園画像を画像処理して点数を計算します。ここで登場するのが「TensorFlow」なわけです。これはGoogleが開発している機械学習用のライブラリで、誰でも使うことができます。機械学習とは機械が学習をしてそれをもとになにかをするというものですが、最近では囲碁とか将棋のAIで使われていることがニュースでやっていたりしますよね。あれです。TensorFlowについて詳しく知りたい方はここをご覧ください。

Let’s TensorFlow!

学習モデル

では、さっそくTensorFlowをつかって機械学習していきましょう。TensorFlowを使うにはどういった画像を入力して何を出力してもらうかを決めなければいけません。枯山水の得点計算の方法には以下の2つの手法が考えられます。

<手法1> 入力:庭園画像→出力:点数

図2. 手法1の入力と出力の関係

図2. 手法1の入力と出力の関係

図2を御覧ください。左の??点となっている画像がこれから得点計算をさせたい画像になります。真ん中は入力と似たような画像にラベルと呼ばれるものをセットにしてニューラルネットワークに学習させています。学習データをもとにこの画像が何点っぽいのかという出力が出てきます。

この手法では画像の前処理も後処理も必要なく、ニューラルネットワークの処理のみで構成できるのがいいところです。この場合、学習には完成形の庭の写真とそれに対応する点数をラベルとして用います。入力には画像全体を使うことになるので画素数の設定によっては処理が非常に遅くなってしまうという問題がある一方、枯山水においては取りうる点数が0~100点(実際に取ることになる点数の範囲はもっと狭い)だけなので出力が最大で101個だけで済みます。

この学習方法には一つ問題があります。学習データの用意が非常に手間なのです。この学習に一つの点数あたり100枚ぐらいとりあえず用意すると1万枚のデータが必要になります。枯山水で遊び、ゲームが終わるたびに写真を取って点数ラベルを付ける作業によって4枚の学習セットが得られ、1ゲームあたりにかかる時間は約1時間で、それぞれのゲームで最大4枚の庭が完成します。データ数が10000個なので、2500ゲーム。つまり2500時間。ぶっ通しでやると不眠不休で約104日間枯山水をやらなければいけないのです。

<手法2>入力:タイル画像→出力:タイルの種類

図3. 手法2の入力と出力の関係

図3. 手法2の入力と出力の関係

図3は手法2のデータの流れになります。今度はニューラルネットワークには点数を出すのではなく、タイルの順序をだしてもらおうという手法です。まず、庭園画像を左上から右下へむかって番号をつけ、それぞれのタイルの画像を切り出します。この切り出した画像をおなじようにタイルのみの画像で学習したニューラルネットワークに突っ込んで庭園の何番目のタイルはIDいくつですという結果を出力してもらいます。そしてこの結果をもとに得点計算のプログラムを走らせて結果を得られるのです。

この構成ではまず先程書いたとおり、タイルの識別部分以外をニューラルネットワークとは別に作るということが手法1との違いになります。タイル1枚あたりの画素数は庭園全体に比べて小さくて済むので入力が小さくなり学習が早くできるという利点があります。

学習データはどれくらい集められるのでしょうか。まずはタイルが22種類あります。さらに石が25種類、向きが2種類で合計で1100種類のラベルが存在することになります。1種類の画像を100枚収集するのに10分かかるとすると11000分(約18時間)でデータが集められます。すごく早い!

どちらのモデルがニューラルネットワークとして適切かというと一番目のほうがニューラルネットワークだけで完結するので適切だと僕は思います。しかし、個人の範囲では少々時間がかかりすぎてしまうので今回は二番目の手法でやってみたいと思います。

学習データの集め方

学習データはひたすらタイルの写真を撮り続けました。データを加工しやすいように背景に単色の画用紙を用いるといいです。この次に何をやればいいのかわからない人は「opencv hsv 抽出」と検索してみるとすべてがわかります。

プログラム

ではいよいよTensorFlowです。TensorFlowの公式ホームページにはチュートリアルがあり初心者でもわかるように(わかるとは言っていない)サンプルプログラムといっしょに説明がされています。機械学習ではMNISTとよばれる手書きの0~9の数値が書かれた画像を識別する、プログラムで言うHello World的なものがあります。TensorFlowでもこれのサンプルプログラムをもとに使い方をわかりやすく(わかるとは言っていない)説明してくれているのです。このプログラムをMNIST以外の画像でも使えるようにしました。

https://bitbucket.org/muratatetsuya/kantan_tensorflow

参考にしたサイト

評価

最後に重要なのが作ったプログラムの評価です。表に結果をまとめました。

画像サイズ[px] 学習時正答率[%] 庭園画像正答数[枚] 学習時間[s]
60 x 70 97.6 7 9.32
120 x 140 97.3 9 22.6
240 x 280 98.4 10 90.5
480 x 560 98.4 6 338

まず学習時正答率とは学習データと同じ手法で作られた画像で学習時に使われていない画像で学習した後のニューラルネットワークによりどのタイルであるかを推定した結果になります。画像サイズに関係なく100%に近い正答率が出ています。一方庭園画像正答率というのは完成した庭園画像から15枚のタイル画像を切り出しリサイズしたものを推定したときの正答数になります。いずれも正答率が7割に満たない結果となりました。画像サイズが大きければ大きいほど判断材料が上がり精度が良くなるのかと考えていたのですが、このデータをみるとちょうどいい画像サイズがどこかにあるような感じがします。

では、学習時と使用時で正答率が変化してしまったのはなぜでしょう。一つの原因としては学習用のデータと庭園の画像から切り出されたタイル画像が違うことが考えられます。図3は今回間違いが多かった2つの画像の学習時と庭園の画像を並べたものになります。2つの画像の大きさは一緒なのですが、明るさが違います。これくらいの違いは見分けてもらえないと自動化ができないのですが、このくらいの違いを見分けられるようになるためには学習時の画像にさまざまな状況でのデータが必要となりそうです。

図3. 画像の違い

図3. 画像の違い


今回はTensorFlowを使ったニューラルネットワークのとても簡単なモデルを用いて評価したのでこのような悲惨な結果となってしまいましたが、画像を前処理したり、ニューラルネットワークの構成を変えたりすることでまた違った結果が得られると思います。快適徳ライフへの道はまだまだ長そうです……とりあえず、流行りである機械学習をやったことがあるという事実が大事なのでここらへんにしておきましょう。

最後になりますが、枯山水はとてもおもしろいボードゲームですし、徳が積めるので日頃、徳が足りないなーという方はぜひやってみてください。

それではー。

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[18日目] ぷらっちっくのかんたんなお話。身近なものでバキューム成形 https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent18/ Sun, 18 Dec 2016 11:40:19 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3252 続きを読む ]]> 去年につづいて今年も性懲りもなくアドベントカレンダーに参加します、デザインエンジニアのしんじろです。最近だとMKZ4のステアリング機構の設計を担当しました。

今回は多くの製品に使用されているプラッチック(プラスチック)についてちょっとだけお話したいと思います。

プラスチックとはなんなのか

工業製品で使用されているプラスチックですが、プラスチックという単一種類の材料を指しているわけではなく、ものすごく多種多様なのはご存知でしょうか。
プラスチックというのは自動でポコポコできるイメージ(確かに量産が始まるとポコポコできますが……)ですが、割りと職人さんの感と経験とか生産地の季節気候なんかが影響する生物(なまもの)みたいなものだったりします。

しかも、普段プラスチックに触れているエンジニアの方々もすべての素材を使用したことがあるような方はほとんどいないでしょうし、完全に特性を理解している人も稀でしょう。
んで、駆け出しの工業デザイナーさんやスタートアップのハードウェア起業家さんがかっこいいアップル等の商品力を目指し、かっこいいデザインを求めて無茶な形状にしてしまい、生産前になってトラブってしまうケースが多々あります。

そう、かっこいい商品作りたい、私もそうです。気持ちはわかります、えぇ、わかりますとも。
が、しかし、プラスチックは万能な素材ではなく、特性もあれば欠点もあります。不向きな形状やデザインもわりと多く存在します。

一見なんでも自由な形状が作れます。ですが、複雑化すればするほど、その分大幅にコストがあがります。
大手企業の場合は大量にを作ることで、その分コストをかけてそれらを解決してる場合も少なくないようです。

とはいえハードウェア・スタートアップな仲間を始め個人での製作にはそんなコストはかけられません。
そんなわけで、プラスチックを製品に使用する上で、頭の片隅に入れておいたほうがいいポイントが6つあります。

設計をプラスチックで考えるときのポイント

1・色選びは慎重に

製品の色に真っ白とか真っ黒を選択するのは避けましょう。きれいなその通りの色を出すのは結構なコストが発生します。
そのほかにも車などで汚れが目立ちやすい色はハードルが高いと考えてください。また発色のいい色は退色の問題も含んでいます。極力、色に多少のバラツキがでてもわかりづらい色を選択するのは重要です。

2・シンプルな形状にご注意

垂直とか水平、直交とか狭い面積だったら成功率は上がりますが、面積が広ければ広いほど長ければ長いほど難易度が上がります。
プラスチックは成形時又は整形後に意外と変形します。

3・表面仕上げでの冒険は……

テッカテカの高光沢仕上げや、規則性のあるテクスチャ(これが色々あって目移りするほど)はこだわりたくなるのもうなづけます。
ただ、板キレの状態や単純な円筒形状でもない限りトラブルが起きる可能性は結構高いと考えてください。

4・細い、鋭い形状は結局危ない

鋭利な角(シャープエッジ)はかっこいいけど、ちょっとぶつけたら割れるとか、触れたら怪我をする懸念があります。また成形時にトラブルが起きる可能性も高いので、避けた方が無難でしょう。

5・複雑な嵌合は避けよう

「バンダイのプラモデルとかレゴブロックはきれいに各パーツ同士がはまるじゃん」とおもいますよね。えぇえぇそうですとも、それが製品の生命線ですし、製作者の技術(共に各国内生産)は世界でも屈指です。
そしてそれらの生産数量はとてつもない量なので、ある程度コストをかけることができます。少数ロットでコストをおさえて……という場合にはもちろん不向きです。

6・基本の製造行程は製氷トレイをイメージする

製氷トレイで氷を作ったことはあるでしょうか? 氷ができたらトレイひっくりかえして氷がバラバラ出します。プラスチック成形も基本的にはあのような抜き形状だと考えてください。取り出しはピンで押出したり、型を割ったりと様々です。このような型から抜く際のハードルが上がる=複雑な形であると、さらにコストがかかったり、問題が起きやすくなります。

これらを加味していくとな~んも好きなことできないじゃん……と思われがちですが、実際世に出ている製品見ても上記が当てはまらない場合もあります。それはエンジニアがうまく考えてやってたり、工場によって得意不得意あったりしますので、頑張って付き合ってくれる工場やエンジニア探してしっかり話をすることも大事です。
場合によっては「こうしたいんだけど、どうしたらいいかな?」って聞いてみると解決策を提示してくれたります。

 

身近なものでプラスチック成形にチャレンジしてみよう

ここまではプラスチックの大枠のお話でしたが、実際にプラスチック成形を自分でやってみたらより理解が深まるとおもいます。ということで身近なものでプラスチック成形にチャレンジしてみましょう。

DIYでできるプラスチック成形といえば、カヌーやヘルメット等に使用されるFRPと商品パッケージ等に使用されるバキューム成形がよくあります。今回ホームセンターや100円ショップのものを集めてできるバキューム成形にチャレンジしてみたいと思います。

必要なもの

まずは資材一覧です。

①箱:
A4くらいの大きさと、掃除機のノズル(直径4cm位)が刺さっても余裕がある深さのトレイ状の箱。
今回はホワイトウッド1×6材3フィート材をカットして外枠を作り、5mmのベニヤを底面に貼り掃除機ノズルサイズの穴を開けました。

CA3I0342

バタバタしながら作ったので作り荒いけど大丈夫w


 

②枠:
成形の材料を貼り付けて固定する枠が必要です、100円ショップにある額縁がそのまま使えて簡単です。

CA3I0330


 

③タッカー:
枠に材料を打ち付けて固定するのに使用します。取り外しに手間がかかるので、もっと楽にって人は両面テープでもいいかもしれません。

CA3I0364

タッカー


 

④掃除機:
バキュームするのに掃除機が必要です、家庭用で十分です。

CA3I0332

小型掃除機


 

⑤カセットコンロ:
直火が怖い方は電気コンロでもいいですが、IHでは熱が空気中に出ないので材料が加熱できませんのでコイルの物をチョイスしましょう。

CA3I0333

自宅にあったカセットガスコンロ


 

⑥原型:
これは成形する形状の元になる物です。プラスチック成形というと金型等金属型を思い出しますが、今回はある程度の硬さがあればなんとかなります。今回はコペンのミニ四駆を使うことにしました。フロントガラスがボディと同色で埋まってるのが気に入らないので、これを機にフロントガラスのパーツを作ってみます。

CA3I0323

ミニ四駆コペンのボディです。


 

⑦成形台(パンチングメタル等):
箱上面に蓋をするように設置します。ピッチで穴を開けておりここから吸気されていきます。
今回はピッタリはまるようにレーザーカッターで専用品作っちゃいました。

CA3I0327

成形台


 

⑧:両面テープ、ガムテープ等:
各所接着、固定に使用します。

CA3I0325

CA3I0325


 

⑨成形材料:
今回はPET材の0.5mmを使用しました。ただ、0.5mmってDIYバキュームにはちょっと厚めなようで、もう少し薄いものを選んでいただくとよさそうです。
※ちなみにポリスチレン板は熱を当てると縮んでしまうので使えません。(ごめんなさい、材料の写真撮るの忘れました)

自宅バキューム成形のやり方

これで道具と材料の用意はできたので、いよいよ成形してみましょう。

作業の順番としては、加熱装置ON→材料加熱→材料が柔らかくなったら掃除機スイッチON→材料枠押し付け→各所スイッチOFF、となります。
動画では端折ってますが、1分位は加熱してます、火に近づけすぎると白化したり穴が空いてしまうので注意してください。

バキューム成形の手順

ステップ1
箱の開口部にノズルを固定する、隙間があるとそこから空気が抜けちゃいますので、しっかり穴を塞ぎましょう。

CA3I0344

CA3I0344

ステップ2
箱上部口にパンチングボードを両面テープで取り付けます、こちらも隙間のないように。

CA3I0345

CA3I0345

ステップ3
ノズルに掃除機を取り付けて試運転、パンチングボードの穴からしっかり空気が吸引されているかチェックしましょう。

ステップ4
原型そのままでもできなくはないですが、あとの取り外しが大変になりそうな形状の場合は粘土等で穴を塞いだりしましょう。

CA3I0340

今回は粘土でフェンダーを塞ぎました。

ステップ5
材料を縁にタッカーで打ち付け、しっかり固定します。

CA3I0353

CA3I0353

ステップ6
最後の仕上げです。今回は必要な部分がフロントガラス部だけなので、ここを後ほど切り取って完成です。

CA3I0355

CA3I0355

なんだかお遊び程度の成形のように思えますが、商品パッケージに使用されるブリスターパックなんてのはこれとほぼ同じ原理で成形されています。つまりパッケージ試作なんかはこんな方法でもできるってことですね。
自宅でかんたんにできますので、みなさんもチャレンジしてみてください。

ではまた~

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[17日目] 自撮り棒はもう古い⁉これからは自撮りパラシュートだ https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent17/ Sat, 17 Dec 2016 06:27:01 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3882 続きを読む ]]> こんにちは。電気設計担当のスン&メカデザイン担当のINDです。
アドベントカレンダー17日目は、弊社で販売しているCDP-ESP8266ことESP-WROOM-02の使用例としてあるものを製作しましたので、紹介していきます。


さて突然ですが皆さん、自撮り棒にはそろそろ飽きてきた頃ではありませんか?

撮影者も一緒に写ることができるという非常に便利な自撮り棒ですが、アングルやポーズが固定されてしまうという弱点があります。
常に最先端を求める皆さんは、そろそろこのバストアップショットだらけな現状からの脱却を狙っているのではないでしょうか。
そんなあなたに向けて、今回はスマートなソリューションをご紹介いたします。
それがこちら、パラシュートカメラです。

IMG_0597__
パラシュートカメラとは、その名の通りパラシュートの付いたカメラです。

使い方は簡単。パラシュートカメラとスマートフォンをWi-Fiで接続。カメラを空高く投げ上げてから落ちてくる間に、後述するスマートフォンアプリを使ってリモートでシャッターを切ります。

パラシュートカメラによって、上空からのアングルで自撮りをすることが可能となるのです!
★IMG_2602

では、撮れた写真に行く前に、テックブログとしてまずはパラシュートカメラの作り方を解説していくことにしましょう。
まずはスンから電気設計について解説していきます。

パラシュートカメラ製作のために用意したもの

 

電気設計

接続図

paracam_ブレッドボード2
この接続図は見栄えが良かったのでFritzingというアプリで作ってみました。ライブラリの関係上、実物と見た目が少し違うものがありますが、どうか大目に見てください(笑)。

カメラモジュールはUART、microSDスロットはSPIでの通信なので、それぞれ対応したピンに接続します。
また、LiPoバッテリー電圧が3.7Vなのに対し、カメラモジュールは5V駆動ですのでDCDCコンバータのモジュールで昇圧します。ただ信号線(Tx,Rx)は3.3V入出力ということなので、CDP-ESP8266とそのまま接続できます。
LiPoバッテリーについては、容量が大きいとその分大きく重くなり、パラシュートの落下速度に影響してしまうため、今回は250mAh程度の小さいものを使用しました。

実際に配線するとこのようになります。
IMG_2598

ソースコード

まず開発環境ですが、今回はArduinoIDEを拡張して使いました。
拡張の手順はこちらを参考にしています。

それぞれのモジュールを動かすためのコードは、ネット上に公開してくれている方がいるのでそちら参考にさせていただきました。

また、カメラのシャッターボタンとしてはiOSCというiPhoneアプリを使用しました。
アプリ内に配置されたボタンを押すことで、ボタンに設定したデータをUDPパケットとして送信できます。そのデータをESP8266が受信すると、撮影の処理が走るという仕組みです。
IMG_2634
▲iOSCの操作画面
 

参考にしたサイト

完成したソースコードはこちらです。
https://github.com/MasatoOshikiri/Cerevo_techblog_Sun
 

メカ設計

筐体について

ここからはスンとコンビを組んでるINDが解説していきます。
スンとは一緒に仕事したことないけど仲良しです。

今回のメカデザインで気を使ったことは、以下の2つです。

  • 重心が下に来るようにすること
  • 落下時に回転しないようにすること

設計にあたり、まず重心が下に来るように部品を配置するために、各々の重さを測ります。
測ってみると重そうに思えたバッテリーが意外にも軽かったので、下図のような構成にしました。基板間は厚めの1mm両面テープで固定します。
microSDと電源スイッチのみ、筐体の外側から使用できるようにしておきます。
Print
落下時に回転しないようにするために十字のフィンの構造にしました。

普段、部品の配置の際はサプライヤーや電気設計エンジニアから部品の3Dデータをもらって設計を進めますが、今回はそのようなものはないというか時間がないので、ノギスで部品を計測しながら設計進めました。ですので攻めすぎない設計にしています。
モデリングはfusion360を使用しました。

レンダリングをするとこんな感じです。
Print
 

3Dプリンターで出力する

社内にある3Dプリンターを使用しました。
構造を簡易的に検討する際にはとても便利です。
Print

実際に撮ってみる

上記、スン作の回路・ソースコードでなんとか動作したので、さっそくIND作筐体に組み込んで、青空の下、撮影を行ってみることにしました。


カメラを投げるのがすっかりプロ級になったIND氏。このパラシュートカメラが降りてきたタイミングでシャッターを切ります。

するとどうでしょう……

★PIC04
アホ面下げたおっさん2人の、上アングルからの写真を撮ることが出来ました。
気を付けなければならないのは、撮影時の風と光です。風が強く吹いているときに投げると簡単にパラシュートが飛ばされますし、影になっている場所や日暮れ時に撮影すると画像が暗くなりすぎてしまいますので気をつけましょう。
暗さについてはカメラの性能によるものでもあると思うので、もっと良いカメラを使用すればその点は解決できるかもしれませんので、カメラの選定時によく検討してください。

パラシュートカメラを使いこなすことができれば、あなたのSNSはさらに彩り豊かで充実したものとなり、沢山の「いいね」で満たされることになるでしょう……!
パラシュートカメラ、皆さんもいかがでしょうか?

以上、アドベントカレンダー17日目でした。

 

「祝」

撮影成功
★PIC00_1_2

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[16日目] Cerevo製品ネタネイルコレクション2016 https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent16/ Fri, 16 Dec 2016 14:53:42 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3888 続きを読む ]]> こんばんは。外に出るときもう一枚なかに着込もうかなと考え始めた広報のあくやんです。

わたしの妹がネイリストをしているということもあり、Cerevo入社前から変なおもしろいネイルをするのが好きです。
とはいえいわゆるネタネイルというのはまぁけっこうネタが尽きてしまいがちなのですが、いまのわたしはネタ切れということがありません。なぜならこんなにもネタ(製品)に囲まれているからです。やったね!

ということでただの自己満足はありますが、2016年どんなネイルをしてきたかを載せていきたいます。
 

CESネイル

1月は年明けそうそう、ラスベガスで開催されたCES 2016にCerevoは出展していました。
CES 2016では変形型ロボットプロジェクター「Tipron」、金属3DプリントパーツでできたIoT自転車「ORBITREC」が新製品として発表されました。なので、その2つの製品の一部もポイントにいただきつつ、CESカラーにしています。

akuyan _photoさん(@akuyan)が投稿した写真


 

DOMINATOR ネイル

2015年7月に発表したDOMINATORが2016年の春先に販売開始されました。
DOMINATORといえば、パラライザーからエリミネーターに変形するのはもちろんですがLEDをぜいたくに217個もつかっていることも特徴の1つ。なので、ネイルも光らせたいなとおもって蛍光塗料を調達してネイルのジェルとまぜてみました。夜ねるときに爪が光ってて1人で楽しんでました。

akuyan _photoさん(@akuyan)が投稿した写真


 

Listnr ネイル

周りの音をひろってサーバにアップし音を解析できるスマート・マイク「Listnr」ですが、実はCES 2016のときに製品版は初お披露目だったので、CESネイルにもポイントでこそっといれていました。見た目がまるっこくてかわいいのと発売を勝手に記念して改めてネイルに。
写真だとわかりづらいですが、白のフレンチの上にカラフルなチークネイルでListnrのLEDの雰囲気を出そうと試みました。

akuyan _photoさん(@akuyan)が投稿した写真


 

Cerevoネイル

6月1日に入社したので、6月にはいったのにあわせてCerevoネイルにしました。
それとあわせて3Dプリンタでネイルチップをつくったりできないかなぁと、遊んでいた写真と混ぜています。Cerevoに入るまで3D CADとか触ったことはなく、ずっとweb制作をしてきましたがCerevoの皆さんに色々教えてもらって少しさわれるソフトが増えました。

akuyan _photoさん(@akuyan)が投稿した写真


スノボの滑りを可視化するスマート・ビンディング「SNOW-1」、電動フル稼働「DOMINATOR」、IoT開発モジュール「BlueNinja」、Googleカレンダーと連携するスマート・アラーム「cloudiss」、サイクリング状況を共有できるスマート・サイクルデバイス「RIDE-1」のモチーフをちょこちょこいれています。どれがどれかわかったあなたはきっとCerevoマニアです。ありがとうございます。
 

MKZ4ネイル

ミニ四駆をスマートフォンで操作できるように改造するワークショップを2015年からはじめていましたが、とても好評いただいた結果、改造キット「MKZ4」として販売することになりました。もともとは社内のエンジニアさんが、Cerevoで売っているESP-8266を使って遊びで開発していたものだったのですが、まさかこんなに進化するとは。噂だとまだまだ進化中のようです。

akuyan _photoさん(@akuyan)が投稿した写真


Cerevoにいなければミニ四駆をつくることはなかったかもしれません。
 

Hintネイル

9月にめでたくクラウドファンディングを達成した、Bluetooth搭載のラジオ「Hint」です。
ニッポン放送社、グッドスマイルカンパニー社と共同して現在ごりごり開発がすすんでいます。製品版でラジオをきいたり、ビーコン機能でURL取得できるようになるのが楽しみです。

akuyan _photoさん(@akuyan)が投稿した写真


 

こういうネタネイルしていると、どんな風にネイルのデザイン考えてるのか聞かれることがあります。
何も考えずに製品みながら「ここはこうしよう」と決めていく場合もありますが、きもちに余裕があるときはこんなかんじでかんたんにデザインをつくります。

nail

実は親指だけはずっと、Cerevoのロゴマークをモチーフにしたフレンチネイルを続けています。
これはわりと普通にみてもオサレ感高いのではないかなとおもって、社内で流行らせるためにUVプリンタでネイルシールでも作ろうかなと考えたりしています。

ネタネイルでもいいかんじに!が個人的なテーマなのでネタだと他の人からわかりづらいときもありますが、ネイルなんて100%自己満足なのでいいんです。キーボードを打つときに、改札にSuicaをかざすときに、ペットボトル持った瞬間にテンションが上がればそれで十分です。
次はどのネタにしようかな。

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[15日目] 不具合を発見したときのテストレポートの心得 https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent15/ Thu, 15 Dec 2016 14:32:29 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3321 続きを読む ]]> こんばんは。稲垣です。組み込みプログラム担当として、CEREVO CAM live!やLiveShellシリーズなどのライブ配信系製品をずっと作っています。

今回は製品やサービスを開発するなかで避けて通れないテストレポートとかバグトラッカーのチケットとかを書くときのテクニックを社内向けにまとめた内容をTechBlogに持ってきました。題して「テストレポートの心得」。前半がテクニック本体で、後半が今回ブログ向けに追加した効能とか背景の解説となっています。それではどうぞ。

テストレポートの心得

テストの結果、不具合を見つけたら再現方法を報告しましょう。 この心得を読めばきっと突っ込まれないレポートができるはず。

標題と概要の心得

まず、どんな不具合を起こすかを端的に書いて標題にします。

標題だけで書ききれない場合は概要を書きましょう。1つの手順で複数の不具合が起きる場合、箇条書きにしましょう。

どこが不具合なのかはっきりさせて書くためには、どのような挙動に直すべきかを考えて、対比させてみるとよいかも知れません。

再現方法の心得

次に再現方法を記録します。再現方法は、読んだ人が同じように操作して再現できるように記録しなければいけません。

いろいろな解釈ができる書き方は再現方法の書き方としてよくありません。同じことをするのに複数の方法が考えられる場合、どの方法をとったか明記しましょう。それはつまり、何をどのように操作したか、何をどんな方法で観察したのかを説明するということです。操作だけでなく観察の方法もしばしば複数あります。

再現方法は事実の記録として書くべきで、全て過去形で「何々した」という記述の羅列になるはずです。タイミングが重要である場合 (タイミングによって再現しなかったとか)、「すぐに何々した」とか「何分間待ってから何々した」などをきちんと記録しましょう。再現方法を書いたら、その方法で本当に再現するか試してみましょう (ただし正常な動作を続けられなくなるような重大な不具合は早めに報告した方がよいでしょう)。

何回実験して、何回不具合が再現したかを記録しましょう。1回試して1回再現したのと、10回試して10回再現したのとは違います。

よくない記録の例

「動かなかった」
「何々しなかった」

期待したとおりに動かなかったことは、不具合として報告されている時点で自明です。このような記述から読み取れるのは、あなたの願望と、それがそのとおりにならなかったということだけです。

実験の結果には「どうなったか」を記録するべきです。「どうならなかったか」は書かないとそのほかの事象とまぎらわしい場合だけ記録すれば十分です。たとえば天気の記録を付けるのに、「雨は降らなかった」とだけ記録することがあるでしょうか? 必ず「快晴」「曇り」「雪」などと実際の天気を記録するはずです。

考察の心得

最後に、なにか考察を書きたければ書いてもかまいません。最後に書くのは、事実の記録である再現方法とあなたの推測を区別するためです。事実と想像を混同してはいけません。

不具合の原因についてなにか推測したのなら、それを検証するための実験を考えた方がよいでしょう。

FAQ

これは本当に問題なのか? と思ったら

「俺がルールだ」と思っていただければ結構です。これっておかしいんじゃないの? と思う部分はきっと他のユーザもそう思うでしょう。そういうところには直すかマニュアルやFAQでフォローするかの対策をすることになります。

再現条件をどこまで絞り込んでチケットにするか

必要十分条件を最初から見つける必要はありません。再現方法には事実だけ記せばよいのですから、十分条件が分かっていればよいのです。たとえば10分しか待つ必要がないことが後から明らかになるとしても、30分待って再現したのならまずはそう書けばよいのです。

解説

心得編はいかがでしたか。基本的には大学なんかで実験レポートを書くときに教えられることだったんじゃないかと思いますが……。ここからは背景の事情とかの解説編です。

複数の方法

LiveShellみたいな製品を作っていると、たとえばある設定を変える操作がDashboardからでもできるし、本体のキーを押してもできるということがあります。そして片方でしか問題が起きないことがあったりします (大抵両方で起きます)。本体のUIも頑張って作ってますから使ってください。

観察の方法が複数あるというのも同じ事情です。たとえばビットレートの表示はDashboardにもあるし本体にもあります。これがDashboardの表示だけおかしいとなると、web側の問題である可能性が高いので組み込み担当はホッとします。どこが問題か分からない書き方をされると余計なところにまで無用な不安が拡がります。

過去形で

過去形で書くのは科学的に大変重要なことです。現在形で書くとどうなるか。「フリーズする」。今まさに目の前でフリーズするってときだけは適切な言葉です。しかし何もないのにフリーズするフリーズすると言うと、それは公理や定理の書き方です。つまりそれが真実であると主張していることになります。「お前のプログラムはフリーズする……それが永遠の真実、世界の理 (コトワリ)、変えられない運命なのだ」。呪いですね。プログラマに恨みでもあるんでしょうか。

これが過去形で書いてあると、途端に過去の一個の事象に格下げとなります。あのときはフリーズした。でも将来は分からない。他の人が操作したら違う結果になるかも知れない (ヒューマンエラーだ!)。一挙に謙虚になりました。美徳ですね。

「『フリーズした』なら使ってもいい!」

何回実験したか記録する

サンプリングというのは回数を増やすほど信頼性が高くなります。1回試して1回起きただけだと、追試してみたら本当に1回しか再現しないこともありますし、忙しいときはそんな再現するのかしないのか分からない事象にはなかなか手が出せません。全部の個体で起きるとも限りませんしね。これが10回試して10回再現したとか百発百中とかになると、自分の個体でも出荷した個体でもそこでもここでも再現する可能性が高まってきます。ヤバい。

よくない記録

「動きません」。ありがちです。エラーメッセージくらいは報告してほしいものです。エラーメッセージの目的の半分は報告してもらうことにあります。ちなみに残りの半分は「やさしさ」です。解決の糸口になりそうなことも書いておきました。できれば自力でなんとか。

「フリーズした」。「画面が動かなくなった」と同義です。「○○しなかった」の報告は情報量が少なくてツッコミ返す必要があるから手間なんですよね……本当に何をしても動かなかったの? 何をしたのか列挙してみて? なんだACアダプタの抜き差しを試してないじゃあないか。ホラ、インジケータが変わった。フリーズはしてないでしょ。使いものにならないことには変わりありません。でもネチっこく絡まれます。

最後に

「過去形で書け」とか大学で実験レポートを書くときに必ず指導されることで、リアルに「あっこれゼミでやったやつだ!」と思える内容だったかも知れません。社会人の方々には昔を懐かしみつつ、一つでも「あれはそういうことだったのか」と納得していただけたら幸いです。まだ学生の皆さんはしっかり勉強して、勉強したことが役立つ仕事ができるように頑張ってください。この心得があなたの心に残って、素敵なレポートライフの一助となることを願っています。

Happy Hacking!

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[14日目] 海外へのフライトでスーツケーツがなくなったときの対応あれこれ https://tech-blog.cerevo.com/adventcalendar2016/advent14/ Wed, 14 Dec 2016 06:38:52 +0000 https://tech-blog.cerevo.com/?p=3729 続きを読む ]]> Blogは書いたことがないのでとても緊張しています、海外営業の三寺(みてら)です。
今年は4月から色々な国に出向きました。1年を振り返ると欧米をはじめとした色々な国へ行き、なかでも初めてアジア圏で仕事ができたのはとても良い経験になりました。

20161206_002803981_iOS

さて、普段涼しい顔をして海外出張に行っているのですが、実のところトラブルも多くあります。
今回は、パスポートや財布をなくす次ぐらいに面倒くさい「預けたスーツケースが紛失した時」について、発生した際の対処方法とダメージを最小に抑えるコツについて書こうと思います。

スーツケースがなくなったらどうするか

スーツケースを紛失する一番よくあるパターンは乗り継ぎ時、次の飛行機に載らなかったというものです。
機内手荷物だけで済むフライトもあるかと思いますが、メーカーにいるとサンプルや製品を持って行ったりする事が多くそんなに身軽に行ける出張はほぼ0に等しいです。大体、乗り継ぎ時間が1時間未満の場合紛失する可能性が飛躍的に高まります。
また空港のシステムエラーで乗継空港の登録自体が間違っている場合もあります。これは防ぎたくても防げない一番最悪パターンです。
これを未然に察知するには荷物の預け入れ時、チケットカウンターで預け荷物と引き換えにもらったレシートをその場でチェックすることです。ただこれは空港のIATAコードを知らないと判別がつきません。IATAコードとは、成田であればNRT、羽田であればHNDといったアルファベット3桁で表す空港識別コードです。もらったレシートに記載されたコードが自分の乗り継ぐ空港と違うコードだった時があり、もらった際に気づくことができず紛失してしまいました。

さて本題はここからです。スーツケースをなくしたときにどのように対処すればいいでしょうか。
1回の出張で2.5回もスーツケースをなくされた事がある私の経験談から、申請の流れをお話しさせてください。

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どこで紛失を申請するか

どの空港でも同じですが、パスポートコントロールを過ぎた手荷物受取所(Baggage Claim)のどこかにそういった荷物のトラブルを相談できるカウンターあります。使った航空会社によって申請カウンターが異なりますので、自分がどの航空会社を使ったのかは良く覚えておきましょう。深夜になるとカウンターに人が少なくなるので下手をすると数時間待ちになります。
ええ、深夜で数時間待ちです……。

大体の場合、航空会社が契約している紛失(Lost & Found)を専門に扱っている業者とのやり取りになります。

申請方法

カウンターにいくと書類を渡されるので、個人情報と便名を一通り申請書に書いて署名をします。そしてスーツケースの判別に関わる、色、形、ブランド、大きさなどの質問のやりとりがあります。スーツケースの形はコードになっているようで、それが書類に記載されます。2輪のキャリーケース、4輪、箱型など様々な識別コードがあり、これは世界共通なのだそうです。

申請後について

質問が完了して手続きが終わると問合せ番号と窓口の連絡先をもらうことができます(一部もらえない会社もあります)。
連絡先をもらったら、ほぼ数時間ごとに業者へメールをして状況を聞きながら、自分の滞在先に送って貰う様に手配しないといけません。これが海外出張だと拠点が目まぐるしく変わるのでなかなか難しくなります。
某国では結局滞在先には届けられる時間がなかったので、次の日の帰国便に載せて貰う様な手配になった事もありました。

毎日結構な数紛失はあるようです。そのうち、完全に見つからないパターンも我々が思っているよりも多いという話をちょうど先日なくされたタイミングで成田空港の職員の方に聞きました。

ダメージを最小限に抑えるには

スーツケースには必ず判別出来る様なタグを付ける

名前が書いてあるタグは非常に重要です。ユニークであったりするとすぐにわかるので良いです。また行く前に写真を撮っていると良いかもしれません。

重たくても重要なモノはスーツケースには入れない

よくパソコンやカタログを入れてしまったりするのですが、商談するのに必要なものはなるべく手荷物で持って行くのをオススメします。なくしても最悪なんとかなる、という状態にしておくとよいでしょう。

機内手荷物に食料と歯ブラシ

私は軽くて腹にたまる煎餅を食料として出張中は常備しています。私的には味も濃い「技のこだ割り 醤油せん」が気に入っています。
フライト後にスーツケースの紛失申請と続くと、相当疲れているはずです。なくしたものがいつ出てくるかわからないので気が休まらず本当に食べ物は重要です。食べた後は歯ブラシです。ただ歯磨き粉は手荷物検査でいちいち出さないといけないので個々の判断で。

最後に

さて、Cerevoではこういったトラブルも含めてそれを楽しみながら一緒に働ける仲間を募集しています。私は海外営業ですが今募集しているエンジニアの世界も予期せぬトラブルが起こります。
その中で落ち着いて臨機応変に出来るようになる対応力を磨くのも楽しいかもですよ。

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